俳句ポスト

松山道後十七文字の殺人 私の大好きな西村京太郎先生の長篇ミステリー作品に、『松山・道後十七文字の殺人』という作品があります。相棒の亀井刑事が、松山市の「俳句祭り」で特別賞を受賞することになります。松山で行われる授賞式に出席した亀井は、祭りの主催者からある相談を受けます。松山市には町のいたるところに観光客向けの

▲子規美術館の俳句ポスト

▲子規記念博物館の俳句ポスト

「俳句ポスト」が設置されているのですが、そのポストに投稿された俳句の中に、物騒なものが3句含まれているのだといいます。『疲れ果て 花冷えの朝 訃報聞く  東京・乙女』 『春風に 血の匂いを嗅ぎし 二十歳の時  東京・青二才』 『十六夜に 二人が死ぬを 見たいと思う  東京・小町』 1句は3ヶ月前の3月、あとの2句は先月投稿されたものでした。小町の句が殺人予告だとすれば、今年の秋に二人の人間が殺されるかもしれない。そう考えた審査員たちは、特別賞を受賞した亀井が警視庁の刑事だと知り、相談することに決めたのだといいます。3つの句から察するに、花冷えの3月に3人にとって大切だった誰かが死に、しばらくしてそれが殺人だったことに気付き、犯人の2人を秋に殺そうと決心したという意味らしい。3つの句を東京に持ち帰った亀井は、十津川警部に相談して、まず事の発端となった殺人事件を探し始めます。この事件の発端となったのが、松山市内のそこかしこにある「俳句ポスト」でした。

▲大和屋本店の俳句ポスト

▲大和屋本店の俳句ポスト

 松山市観光「俳句ポスト」は、昭和41年に「子規・漱石・極堂生誕百年祭」の記念事業の一つとして、観光俳句を募集し、好評を得ました。そこで、昭和43年5月に松山城長者ヶ平に、第1号の「松山市観光俳句ポスト」を設置し、第2号を同年9月に子規堂、昭和44年4月には道後温泉本館へと、年々松山市観光俳句ポストを増やし、現在は主要観光地や道後温泉のホテル・旅館、路面電車や四国八十八ヵ寺など、95ヵ所に設置しています。平成22年からは、小説『坂の上の雲』ゆかりの県外の都市にも12ヵ所設置しています。また、平成24年4月からは、海外第1号が欧州連合(EU)の首都ブリュッセルに登場し、日本と欧州の文化交流と、俳句文化の魅力を最大限PRしています。観光のついでに、また松山の旅の思い出に、投句してみるのも一興でしょうね。私は残念ながら、この方面の知識が全くないので、各所で写真を撮ってくるだけでしたが。

▲道後温泉本館の俳句ポスト

▲道後温泉本館の俳句ポスト

▲松山駅の俳句ポスト

▲松山駅の俳句ポスト

▲投句用紙

▲投句用紙

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