ヴァレンタイン・デー

ヴァレンタインデー 「ヴァレンタイン・デー」です。ローマ時代のことです、家族を家に残していたら戦争に身が入らない、という無茶苦茶な理屈で、ローマ兵士の結婚を禁じていた時代がありました。しかし、若い男女の愛にブレーキはかけられるものではありません。そこに法を無視して、どんどん結婚させたキリスト教司祭がいたそうです。その人の名前がウァレンティヌスだそうで、ローマ帝国によって捕えられ処刑されました。その日が2月14日、後にこの日は、この司祭を称えて、聖ヴァレンタインの日」という祝日になったそうです。昔から欧州ではこの日に大切な家族、恋人、友人に花やお菓子を贈るような習わしがあり、近年のアメリカではグリーティングカードを贈り合います。チョコレートを贈るというのは日本だけのようです。

原邦生 このヴァレンタイン・デーに、女性から男性にチョコレートを贈ろうという大ヒットキャンペーンを考案したのは、実は、メリー・チョコレート原 邦生(はらくにお)さんでした。原さんはメリー・チョコレートの創業者の息子さんで2代目社長さんですが、学生時代はメリー・チョコレートでアルバイトをしていたそうです。その当時、友人から、パリではヴァレンタイン・デーに花やチョコレートを贈り合う、と聞いたときに、これを販売促進に使えないかと考え、お父さんに「ヴァレンタイン・セール」を提案したのだそうです。「ではやってみろ」と言われて、東京の新宿・伊勢丹デパートで「バレンタイン・フェア」と銘打って(2月12日―14日)やってはみたものの、3日間で売れたのは、50円の板チョコわずか3枚と、20円のメッセージカード1枚、総売り上げ170円という散々な結果だったそうです。昭和33年、東京タワーがお披露目になった年のことです。これにめげることなく「ヨーロッパのように、愛の日バレンタインデーにチョコレートをお買い求め頂くにはどうしたら良いのだろう?」悩んだ結果、まず、チョコレートをハート型にして、その上に贈る人と相手の名前を入れられるサービスを実施、さらには、『年に一度、女性から男性へ愛の告白を!』というキャッチコピーを付けました。当時の日本は、まだ男性中心社会で、女性が男性を口説くなど、はしたないとされていた時代です。気の弱い女性の背中をそーっと押してあげたのが、原さんのキャッチコピーだったわけです。一年に一度この日だけ、女性が男性に告白しても許される、といういじらしさが受けた訳です。これが大ヒットし、マスコミがこぞって報道し、口コミで広がっていき、チョコレート業界の格好のターゲットとなり、今では当時の原さんの思いなどよそ吹く風と、お化けキャンペーンの日(義理チョコ、友チョコ、逆チョコ、マイチョコ)となってしまいました。この話は、さだまさしさんから教えてもらいました。

 体温が感じられたあの頃の原さんのロマンが消えてゆく。何とかの日、あれこれの日と、お金を使わせる日ばかりが増え、祝日の重みが消えてゆく。祝日は第何月曜日とやらへ浮遊する。祝日はその当日に意味があると思うのは僕だけだろうか。祝う側の心が貧しくなった結果かもしれない。   (さだまさし)

 私の今までで一番嬉しかったチョコレートは、もうずいぶん前になりますが、学校に郵便で届けられたもので、ハート型のチョコの上に、「先生大好き」とホワイトチョコでメッセージが添えられていました。しばらくは食べれませんでした。

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