lead a dog’s life

 以前にこのブログで、lead a dog’s lifeという成句の意味について、書いたことがあります。再録してみます。

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    lead a dog’s life「みじめな生活を送る、苦労の多い生活をする」という成句に新しい意味があることに気付いたのはもうずいぶん前のことで、Gyles Brandreth, Everyman’s Modern Phrase & Fable (1990)を拾い読みしていたときでした。そこには「興味深いことに、最近ペットの犬が過保護になっていることから、この句は時に皮肉あるいは不正確に、贅沢で心配一つない生活を送の意味で使われる」と、書いてあったのです。「ペット犬のように贅沢な暮らしをする」という意味で使われることがあるということです。イルソン博士に実情をお伺いすると、そのような意味の可能性は認められたものの、まだ辞書への収録は必要ないとのことでした。今度はアメリカ英語での実態をアルジオ博士に調査してもらいました(1991年ジョージア大学での調査)。それによると、52%が悪い意味に、47%が良い意味に、2%が文脈により両義が可能としました。さらには、年配の人は悪い意味に、若い人は良い意味に取る傾向が観察されました。明らかに犬の生活の向上と共に、この成句の持つ意味合いに変化が生まれようとしていることだけは間違いありません。Brandreth(1990)が観察した、”ironically or inaccurately”という但し書きは、良い意味に取ると答えた学生たちには全く無縁のものでした。以来、20年間注意して見ていますが、辞書の扱いには変更はなさそうです。さらに今後の変化に注意が必要な成句です。

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 このことを私は、1996年に島根県立松江南高等学校時代に『研究紀要』No.21に、現代英語の語法観察」として発表しています。この懐かしい論考を「ダウンロードサイト」に登録しておきました。若い頃はこんな問題に興味を抱いていたんだな、ということがよく分かりますね。lamely,  cheap price, wedding night, have only to, police box, traffic light(s)などの諸問題を取り上げています。興味のある方はご覧ください。

・八幡成人「現代英語の語法観察」『研究紀要』No.21 島根県立松江南高等学校、1996年  ⇒コチラです

 あれから20年以上が経過し、気をつけていますが、まだ辞典への収録にはいたってはいないようです。人間以上に手をかけてもらっている犬もたくさんいますからね(人間の散髪代よりもはるかにトリミングの料金が高い。食べるものも高価。ホテルまである!)。私はいち早く『カレッジライトハウス英和辞典』(研究社、1995年)その改訂版『ルミナス英和辞典』(第2版、研究社、2005年)において「[皮肉](飼犬のように)気楽に暮らす」という記述を入れておきました。今日もALTのエドワード先生とこの句について話しておりましたが、先生は良い意味に取ると言っておられました。いずれにしても、「〔大事にされる飼い犬のような〕ぜいたくな暮らしを送る」という意味が生まれてくるのは、当然の成り行きだと思われます。❤❤❤

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麺屋Qu

◎週末はグルメ情報です!!

 松江のラーメン激戦区、島根大学周辺にまたもや新店「麺屋Qu(クウ)@松江市学園」が誕生しました。長らく閉店状態だった理髪店の店舗に改修工事が入り、「麺屋Qu」が開店しました。基本は牛骨ラーメンのようですが、メニューには「担々麺、塩、味噌、醤油」とある。店長さんによれば、牛骨の香りをよく味わえるのは塩で、醤油はけっこう強めなのでそばのようです、とか。「私は透き通ったスープの塩が好きでして」という店長さんの言葉で、「牛骨塩ラーメン」(750円)を注文。スープはとても丁寧で、牛特有の臭みもなく、甘みと香ばしさを感じる美味しいものです。中太麺も固めに仕上げられていて美味しいです。けっこう脂が多めで、表面を覆う、清湯スープ。しかしそれほど牛骨特有の甘い香りは強くなく、やや甘さのある塩味で、スッキリ淡麗な味わいです。麺は中細縮れ麺。加水はやや高め?粘りを感じる食感です。トッピングは、炙りチャーシュー、もやし、ネギ、海苔。チャーシューは芳ばしさもあり美味い。器や盛り付けもお洒落で,鳥取の牛骨スープを上質にした感じ。この激戦区では牛骨スープは初めてなので、定着するといいなとは思います。島根大学がすぐそばにあるので(1分)、ある程度学生の懐事情を考慮して、学割サービスなどを取り入れる必要があるかもしれません(750円という値段設定は学生にはチョットキツい)。ドンブリのマークや看板に小さく「63」と書いてあるんですが、同じ松江市学園で営業するダイニングバー「シックススリー」の2号店という扱いのようです。

 一緒に頼んだ「炙りチャーマヨ丼」は(「ミニ」と「普通」があります)この近辺では珍しいと思いました。北海道・小樽の「初代」(⇒コチラです)に行く前に、地元の先生から「「チャーマヨ」が美味しいからぜひ食べてみて」と言われて、行列して美味しくいただいたのを思い出します。それ以来でしょうか。すごく美味しかった。ラーメンと一緒に食べるには「ミニ」が適量です。

 店内は新しいお店らしくきれいです。カウンター席、テーブル席がおしゃれに配置されています。店長さんは鳥取出身で、きさくな方でいろいろとお話を伺うことができました。❤❤❤ 

 

 

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形容詞の語順

 もうずいぶん前のことになりますが、平成4年のセンター本試験の【第2問】に、「形容詞の語順」を問う問題が出題されて、全国の受験生を困惑させた(正答率極めて低し!)ことがありました。次のような問題でした。

The Browns live in a (       ) house.

① big, white, two-story
two story, white, big
white, big, two-story
white, two story, big     

 これは「形容詞の語順」のルールを理解していないと、解くことの出来ない超難問で、早慶などでも出題されたことがあります。

★形容詞の語順★ 
限定詞(冠詞・所有格・指示形容詞) →序数→数量 →性状→大小・形→新旧→色→材料・所属

というルールがあるんですが、その頭文字を取って「げ・じょ・す・せ・だ・し・い・ざ」と覚えておく方法もないではありません。でも私は、もっと本質的な形容詞の並べ順を、生徒たちには知っておいて欲しいと思っています。

 形容詞はcute, beautiful, interestingなど話し手にとっての「(主観的な)気持ち」を表すものと、white, iron, roundなど話し手の意思に左右されない「客観的な事実」を表すものがあります。そしてこれらを並べる時には、通常「主観的な気持ち」→「客観的な事実」の語順になります。これは、自分が言いたい重要な情報(主観)を先に言うためだと考えられます。センター試験本番で私のクラスの生徒たちがこれを正解したのは、一年生の時の文法の授業で、生徒が自分で調べたことを黒板の前に出てみんなに解説してくれていたことを、印象深く覚えていたためでした。

 上のセンター試験の問題では、形容詞のtwo-story, white, bigを、主観→客観の順に並べると、big, white, two-storyに順になりますね。「色」よりも「大きさ」のほうが気持ちによって左右されやすいですね。逆に二階建てという「形状」が気持ちによって一階建てになることはまずあり得ません。ということで①が正解となります。と、ここまでは教室で話すことです。先日も、現役3年生・補習科の授業でも取り上げました。

 ここからは、事情はそう簡単なものではないという語法の実態です。「形容詞の順序」は、日本の学校で習うほどきちんと決まっているものではないんです。特に話し言葉ではその傾向が強く見られますし、書きことばでさえも順序が確定しているわけではありません。先ほどのセンター試験の問題のwhitetwo-storyの順序についても、どちらが先でも構わないと指摘するネイティブスピーカーもいます。下の(1)(2)ともに正解にすべきです。センター試験ではさすがに選択肢に工夫が加えられていて、正解選択肢が限定されるようにはなっています。

(1) The Browns live in a big white two-story house.
(2) The Browns live in a big two-story white house.

 さて、このことに関して1つ面白い調査がありますので、紹介しておきますね。阿部  一氏がアメリカ人ネイティブ30人に行った調査(阿部一『ダイナミック英文法』(研究社、1998年))です。これによれば、

(a) I like a low-priced Japanese small computer.
(b) I like a Japanese low-priced small computer.
(c) I like a small low-priced Japanese computer.
(d) I like a low-priced small Japanese computer.
(e) I like a Japanese small low-priced computer.
(f) I like a small Japanese low-priced computer.

のうち、「どれが一番自然か」とネイティブに聞いたところ、(c)をあげた人が24人で最も多く、この他に自然なものとして、(f)をあげた人が20人、(d)をあげた人が8人いたそうです。(a),(b),(e)については「なんとなく収まりが悪い」と答えたそうです。このように形容詞の並べ順というのは一筋縄ではいかないことを、この調査は物語っていますね。

 先ほどのセンター試験の問題を、ネイティブ30人に聞いてみれば、意見がかなり分かれる結果が出るような気もします。そもそもネイティブ・スピーカーでも使い方に揺れがあるようなこうした用法を試験に出題して、一つだけ正解を選ばせること自体には、強い疑問を感じずにはいられません。あまりいい問題とは言えないと思います。❤❤❤

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奈良駅・旧奈良駅

 「奈良駅」は、2010年3月13日に完成した3階建ての高架駅で、3階がホーム、2階は改札口・駅業務施設と商業施設、1階は商業施設・飲食店が設けられています。列車を降り、ホームから2階の改札に降りて、ビックリしました。内装は、改札内は無装飾ですが、改札外部分は天井には格天井を意識した装飾が、また柱は吉野杉で美装されており、一部柱には組物を思わせる装飾が施されていました。また、柱からは釣灯篭を思わせる照明も吊るされています。改札口を出たところで、あまりに壮観な駅の姿に立ちつくしておりました。古都の名にふさわしい趣のある駅舎ですね。1・2階には商業施設「ビエラ奈良」が営業していました。駅情報も最新のタッチパネル方式です。

 それと、JR「奈良駅」を出て東口には、威厳に満ちた美しい建物があります。どっしりとした鉄筋造り、縦長の窓、レリーフはまるで洋館のよう。しかし、屋根に九輪、四隅には風鐸がある様は、まさにお寺のようでもあります。これこそが「日本国有鉄道(現JR西日本)奈良駅舎」。昭和9年(1934年)から平成15年(2003年)まで利用されました。経済産業省から「近代化産業遺構」に指定されている歴史ある建築物です。奈良の寺院の屋根を模し、寺院風和風と鉄骨鉄筋コンクリート造りの折衷様式の、実に美しい建物ですね(写真上)。

 すでに昭和初期、奈良にはヨーロッパからの観光客も多く訪れていました。和と洋の要素が取り入れられた特徴的な造りには「世界の奈良にふさわしい駅舎を」との旧鉄道省の技師たちの気概が込められています。しかし、そんな愛された駅舎も、1997年の「奈良駅」の高架化に伴い、解体・撤去の話が持ち上がります。由緒ある駅舎の保存を望む市民や建築家らの懸命な署名活動などが実を結び、当時の場所から北東へ18m、「曳き家工法」で移動を行い、現在の場所に移りました。現在、この建物は2009年7月に「奈良市総合観光案内所」として生まれ変わっています。

 まず中に入ってビックリ!中央に巨大な朱塗りの4本の柱が建っています。これは平城宮跡の第一次大極殿正殿の復元の際に作られた、高さ5.3m、直径0.7mのものを再利用しているのだそうです。塗り直された白壁と、天井の茶色、そして朱色の柱が見事にマッチしています。天井には、美しい文様が刻まれているのが分かります。奥手には観光案内のカウンターがあり、スタッフが常駐されており、私も東大寺「お水取り」の情報・地図をいただきました。「東大寺学園」にも行ってみたかったので、お尋ねして地図まで書いて貰いましたが、これはハズレ。現在は移転してずいぶん遠くにありました(タクシーを飛ばして行ってきました)。ここは夜9時まで営業しているようです。奈良名物の展示スペースやら、観光情報から宿泊情報まで観光パンフレット(外国語版を含む)が充実していますから、観光客にはとってもありがたいですね。角っこには「スターバックスコーヒー」も営業しており、便利です。私は美味しいコーヒーを飲みながら、この素敵な旧駅舎の支柱に囲まれて、遠き奈良の雰囲気に浸っていました。奈良駅旧奈良駅、とっても気に入りました。駅舎に感動するのは大分県由布院駅以来でしょうか。❤❤❤

 

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講演会の申し込みについて

「お知らせ」のイラスト文字

 先日、6月のラーンズの研究会のご案内をいたしました。⇒コチラです  「チーム八ちゃん」でも、会員の先生方にお知らせしております。ここ数日、私の方へ全国の先生方から「申し込みをしたいのだが、ラーンズのホームページを見ても出ていない。いつから申し込みできますか?」というお問い合わせが相次いでおります(かなり遠方の方も含めて)。だいたいひと月ぐらい前から申し込みが始まります、とお返事しておりましたが、ラーンズ・営業部のグループリーダーの棚町裕作さんより、正式な日程をお知らせ頂きましたので、この場で先生方にお知らせしておきます。

◎東京会場(6/16)のお申し込み・・・・・5月25日(金)より

◎茨城・土浦会場(6/23)のお申し込み・・・・・5月29日(火)より

 ラーンズのお客様センターのホームページあるいはお電話で受け付けるそうです。近隣の学校には、直接案内が送られるそうです。先生方、もうしばらくお待ちくださいね。八幡は現在、いらしてくださる先生方に喜んで帰っていただけるように、とびきりの資料を準備しているところです。新たな企画も…。お楽しみに。

 昨年7月に行われました博多講演会の責任者の守安 彰さんより、参加なさった先生方のご感想を送っていただいておりますので、ご紹介させていただきます。お申し込みのご参考にしてくださいね。それでは東京・土浦でお会いしましょう。❤❤❤

▲ラーンズ営業部の金村さんと棚町さん

<昨年参加された先生方のご感想>

◎明日への勇気をいただきました。ありがとうございました。
◎伸びる生徒の特徴、単語の指導の工夫等、とても参考になりました。とても貴重な国宝級の資料、ありがとうございます。
◎たくさんの有意義な情報ありがとうございました。たいへん参考になりました。
◎昨年に引き続き、参加させて頂きました。今年度は3年生担当ですので、大いに学ばせて頂いたことを活用したいと思います。ありがとうございました。
◎“目からうろこ”の内容ばかりでした。まずは模倣することから始めたいです。しっかりとまず自分が先生自身の教材を勉強したいと思っています。
◎大変参考になりました。ありがとうございました。熱い思いに心打たれました。
◎これまで蓄積されたものを惜しげもなく紹介して頂き、本当に感謝しています。
◎習慣づけ、繰り返しが大切だと改めて思いました。早速実践します。ありがとうございました。
◎何よりも元気をもらいました。ABCちゃんとやります。ありがとうございました。
◎先生のこれまで蓄えてこられた資料、情報をたくさんいただき本当に感謝です。是非有効に活用させていただきたいと思います。
◎研究力と生徒さんへの学習支援や人間的なサポートがすばらしいと感じました。
◎生徒の努力もさることながら先生の情熱が生徒に伝わっていると感じました。貴重な経験をお話しいただきありがとうございました。
◎3年間参加させて頂きました。毎回新しい話もあり、また前回もきいたけど新たな発見があったりして、勉強になります。
◎たくさんの貴重なご経験をお話頂いて資料もいただき毎回とても参考になります。ありがとうございました。
◎指導技術よりも、英語教師の姿勢に関して大変刺激を受けました。
◎豊富なご経験に基づく貴重なお話を具体例を示しながらご教授いただき大変参考になりました。ありがとうございました。
◎先生のお話や教材から生徒たちに対する情熱を強く感じました。今日学ばせていただいたことを早速生徒に還元させていただきます。貴重なお話ありがとうございました。
◎昨年は出張で参加できませんでしたが、今回2年ぶりに八幡先生のお話を聞くことができ、本当にうれしく思います。「やりっ放しはダメ」という言葉はまさに今の私に必要な言葉でした。八幡先生のお話はいつも心に響きます。「お土産」もありがとうございました。来年も博多にいらして下さい!
◎先生の熱意あるお話に、日ごろの自分の指導を省みずにはいられませんでした。「やりっぱなし」になっているところを改善していきます。
◎たくさんの資料(お土産)をありがとうございました。活用させて頂きます。
◎5年ぶり(おそらく)に講演を聴くことができ、嬉しかったです。直に八幡先生の声で教えをいただき、今後の英語指導にやる気がでました。ありがとうございました。
◎先生へ指導、生徒への愛を感じました
◎すばらしいご指導をされていて。
◎3年生のクラスを担当していた時は、年末年始休みなく学校を開けていました。逆の方向に現在進みつつあります。やはり、大切なことだと主張する元気が出ました!ありがとうございました!
◎毎回参考になるご講演で、また勇気づけられました。お土産の資料は本当にすばらしく無料で本当にいいのかという内容です。ブログも楽しみにしております。
◎ものすごく参考になりました。模試のくり返し活用法など、目からうろこが落ちた気持ちです。
◎ぶれない指導の大切さを実感することができました。ありがとうございます。
◎非常に示唆的な情報が満載で、これからの指導が楽しみになりました。
◎センター対策本素晴らしいです!購入させて頂きます。
◎今日、お話が聞けて本当に良かったです。先生の資料もたくさん頂け、自分の研究に成果を他にも無償で提供される先生の姿勢に感動しています。また「もっと頑張らなくては」と私の心にも火をつけてくださったと思います。
◎昨年とまた違ったアプローチでとても勉強になりました。惜しみない情報の提供がとても有難く、昨年の3年生に役立てることができました。
◎生徒を指導する上で見落としていたことがたくさんあったことにきづかされました。
◎基本の徹底、繰り返しの重要性といった「当たり前」のことを再認識でき、よい勉強をさせていただきました。
◎授業での指導で使えそうな内容がたくさんありました。これからも多くの経験を後輩に受け継いでいってください。
◎長年の経験を教えて頂き、くり返しが大切なのだと再認識しました。
◎とてもやる気が出ました。ありがとうございました。
◎先生の情熱を感じることができました。ありがとうございました。
◎本当に有意義な情報をありがとうございました!!大変、勉強になりました。
とても参考になりました。
◎語いの獲得に苦しむ生徒が多いので、先生の指導をヒントに今後とりくんでみたいと思います。ありがとうございました。
◎分析と情熱と生徒を思う気持ちが伝わってきました。サラリーマンではなく、生徒の心に火をつける教師でありたいです。

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もじ鉄

 このブログをご覧になっているいろんな方から、「八幡先生は本当に鉄道大好きなんですね」と言って頂きます。「乗り鉄」「撮り鉄」「模型鉄」など、鉄道ファンを分類する言葉はいろいろありますね。確かに私は鉄道が大好きで、全国の特急列車を制覇したい(中でも特に、鉄道デザイナー水戸岡鋭治(みとおかえいじ)先生のデザインした全列車を)という希望を持っていますが、勤務時間に縛られて、なかなか思うようにははかどりません。「フォント」にも興味があるので、旅で駅に降り立つと、記録用にまずは駅名標」を写真に撮ることから始まり、駅の中の至る場所を写真におさめます。普段は気がつかないのですが、駅名の看板文字一つとっても、地域によって若干の差が見られるんですよ。この分野に興味を持っている人たちのことを「もじ鉄」と呼びます。新しく発売になった石川祐基『もじ鉄 書体で読み解く日本全国全鉄道の駅名標』(三才ブックス・1700円+税、2018年1月)を読んで、初めてその微少な違いを詳しく理解することができました。石川さんは「もじ急行」という鉄道と文字のマニアックなウェブサイトを立ち上げて、詳しくこの問題を掘り下げておられます。実に興味深い。⇒コチラです

 この本は、グラフィック・デザイナーの石川さんが、北海道から沖縄まで全166社(路線)の鉄道・駅の看板や文字の違いを写真入りで紹介しています。下の写真は私が今までに撮った「駅名標」のサンプルですが、たとえば、JR北海道の駅名標(ホーム上の駅名看板のこと)は、漢字が「ゴナE」、ローマ字が「Helvetica Regular(ヘルベチカレギュラー)」。これがJR東海だと漢字は「スミ丸ゴシック」、ローマ字は「JNR-L」です。JR西日本では漢字は「新ゴシックB」、ローマ字は「Frutiger Bold(フルティガーボールド)」JR九州になると漢字は「新ゴシックM」、ローマ字は「Helvetica Regular」です。じつに細かい違いなんですが、これが確かに面白いんです。このように、地域によって、また会社会社によって駅名標の文字は異なっているんです。

 「駅名標」は、乗客が一瞬で読み取れないといけないので、基本的な要素と配置は全国共通していて、大きな文字で当該駅、左右に小さく隣接駅。そこだけは変えられません。この制約の中で、鉄道各社は配色や字体、デザインにそれぞれ工夫を凝らしており、微妙な違いの中に“個性”が見えてきますね。実に面白い!駅名標は未知の土地への案内人なんです。こうした鉄道文字の歴史、源流をたどった本にもう一つ、中西あきこ『されど鉄道文字』(鉄道ジャーナル社、2016年)があります。これも面白く読みました。鉄道文字もずいぶん奥が深いことがわかりました。

 私の住む松江には、私鉄一畑電車」も走っています。ここの「駅名標」は、漢字もローマ字も両方とも「UD新丸ゴシックR」です。上品で落ち着きのある駅名標ですね。余計な装飾もなくシンプルな中にも威厳を感じるフォントです。最近乗った「京都丹後鉄道」では、漢字は「新ゴシックDB」、ローマ字は「Helvetica Bold」でした。このように、地方鉄道もそれぞれに、個性のある駅名標を工夫しているんです。

 そんな中で、私が今までに訪れて見た「駅名標」の中で、一番印象に残っているのが二つあって、大分の「由布院駅」と北海道「小樽駅」のそれでした。実にロマンチックで個性的な雰囲気が漂っていますね。さあ、次はどこに行こうか?❤❤❤

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小田さんの最新シングル

 5月2日に、古稀を迎えた大好きな小田和正さん(70歳)の最新シングルCDが発売になりました。私は前日に手に入れて、このゴールデン連休中も毎日何度も何度も聞き続けました。今日はそのシングルの感想を綴ってみたいと思います。まずは構成についてです。通例CDにはA面があって、そのカップリング曲が収録されて、カラオケがつくといったのが普通の構成です。しかし今回の小田さんのシングルは、この道を」「会いに行く」「坂道を上がって」「小さな風景」と全部A面タイアップの新曲ばかりが4曲ずらっと並んでいます。ある種「ミニアルバム」と言ってもいいでしょう。 私はこの曲順にも、小田さんの強いメッセージが込められていると感じています。最初の案では「会いに行く」が冒頭に配されていたと聞きました。実際、熊本で始まったコンサートのオープニング第1曲目は「会いに行く」だったといいます。確かにノリの良い曲でピッタリかとも思いますが、今回のこの曲の配列にも大きな意味があると思うのです。私の解釈はこうです。

この道を」待ってくれている人たちに「会いに行く」ために「坂道を上がって」その先には求めていた「小さな風景」が広がっている。(ジャケット写真はそのままの光景!)

 またジャケット写真もチョット変わっていますね。今まで小田さんは、こういういたずらっぽいジャケット写真を届けてきた前科があります。小田さんの顔も全く出ていません。麦わら帽を肩に階段を上がる小田さんの後ろ姿だけです。一目で四国の金比羅(こんぴら)さんだと分かりましたが、小貫信昭さんの情報によれば、コンサートの「ご当地紀行」で流された映像の一枚だそうです。「誰が好き好んでこんなジジイの顔を見たがるんだよ」という、小田さんの自虐的な意思を反映しての選択だったようです。

 それぞれの曲の詳細に関しては、オフコース時代から小田さんの音楽を最もよく理解している音楽評論家小貫信昭さんが書かれていますので、そちらをご覧ください。⇒コチラです 最新の「会報」Vol.330でも書かれていましたね。

 今回の新曲4曲に添えられた、小田さんの生の声を挙げておきましょう。

▲「この道を」…4曲の中で私が一番好きなスロー・バラードです。

依頼を受けた段階で音楽的にはこういう風にしようと決めていましたが、制作されているみなさんの番組に対する強い想いを伝えられていたので、曲が出来た時点でこれにどんな言葉を載せるべきかと随分迷いました。でも、いただいた資料を何度も読み返すうちに、番組に携わる人たちが主題曲に求めているものと自分が歌いたいことはきっと同じ線上にあると確信して「この道を」が出来ました。ドラマが書かせてくれた曲です。皆さんはどんな風に聴いてくれるのでしょう。

▲「会いに行く」

再び「めざましテレビ」の曲を書かせていただきました。あれからもう10年になるのですね。三宅や軽部をはじめスタッフ皆がきっと期待して待ってるから、喜んでくれる歌を書かなきゃと勝手にプレッシャーを感じたりしていました。そして様々な企画で全国の視聴者と繋がるんだという番組制作者たちの想いと、ツアーで全国の待っている人たちのところへ行くんだという僕の想いを重ねて、「会いに行く」という曲を書きました。「めざましテレビ」を見てくれる皆がさわやかな朝を迎えてくれたら嬉しいです。

 「坂道を上がって」

ボクの高校も海を見下ろす高台にあったので、やはり坂道を上って通っていました。中学高校と6年間。で、この曲を書きながらその頃のあれこれを思い出すことになりました。参考までにと見せてもらった『坂道のアポロン』は素晴らしく、特に演奏の場面はスタッフの音楽に拘る気持ちが伝わって驚くほどの仕上がりでした。自分の書く曲が映画制作に携わった人たち、見る人たちの想いに少しでも添うことが出来れば嬉しいです。

▲「小さな風景」

いなくなってしまった人との思い出を懐かしくたどるだけでなく、自分の知らないその人もきっとどこかにいたのだろうと想う気持ちに触れたかったのです。それが「君の心の中の 小さな風景」になりました。 小さな風景は幾つもあるんだと思います。この曲は出来るだけ言葉数を少なくと初めから考えていました。短く印象的な歌にしたかったのです。

 このミニアルバムをひっさげて、5月4日から熊本で2018年全国コンサートツアー「Encore」が幕を上げました(21カ所全48公演)。熊本からスタートというのが小田さんの思いを反映しています。2016年のツアーのリハーサル中に熊本大地震が発生し、深刻な被害を受けました。どうしてもここ熊本からスタートしたいとツアー初日の場に選びました。当時は「ギター一本でも歌いに行きたい」と模索しましたが実現せず、「次のツアーがあるなら、何としても熊本から始めたいと思っていました」この日を迎えるに当たり、約1カ月間はほぼ無休でリハーサルをこなし、その合間にはスポーツジムに通ってトレーニングで汗を流し5、6キロ体重を落として動きやすい体を作りました。5月5日のスポーツ新聞各紙には、コンサート初日の模様が取り上げられていました(私は全部買いに行きました―笑)。全長240メートルに及ぶ花道を全力で走り抜け、持ち前のハイトーンボイスで何と32曲も熱唱しました。昨年9月に、30年にわたって小田さんのステージを支え続けた舞台監督永岡宏紹さんが51歳の若さで急逝されました。コンサートのアンコールでは彼が好きだった「the flag」を捧げて涙を浮かべて歌いました。当初周りのスタッフは小田さんの体力面も考慮して公演数など規模を小さくすることも提案したそうですが、小田さんは「行けるときに行っておかないと、もう行けない」と拒否したそうです。「もう70歳になって。うかつに次の約束はできませんが、とにかくみんな元気で頑張りましょう」「今日のような日が、またあるように」その思いを胸に、小田さんは全国を旅していきます。❤❤❤

▲コンサート初日の模様を伝える各スポーツ紙

 

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