may well

(a) Tom has good reason to be angry.

(b) Tom may (            ) be angry.

 このような定番の書き換え問題を受験英語ではよく見かけますね。参考書や問題集にも助動詞のところに必ず載っている語法です。確かに、私が高校時代も「may well~=~するのも当然だ」と覚えさせられていました。その後大学に進み、小説・新聞・雑誌などを読み漁っていると、may well~はほぼmayの意味で使われていることが多いということに気がつきます。むしろこの意味のほうが普通ではないか、という疑問が湧いてきました。各種の調査を経て、このことが間違いないことが裏付けられました。ネイティブスピーカーも、(b)をこれだけ単独で見ると、おそらく「トムはたぶん怒っているだろう」の意味に解釈すると思います。may wellには「たぶん~だろう」の意味もあり、こちらの方がよく使われているんです。元々は「十分に~かもしれない」という表現ですね。英英辞典、たとえばLDOCEでは,may/might/could well=used to say that something is likely to happen or is likely to be trueと定義しており、with good reasonの意味は載せていません。OALDも同様です。『ライティングのための英文法ハンドブック』(研究社)にも、may wellについて「『~するのももっともだ』の意味ではあまり使われない」という説明があります。しかし私大の入試などでは、今でもそちらの意味の may well がよく出題されています。現代英語の実態とは大きくずれているのです。

 このことを柏野健次先生は、「「…するのももっともだ」の意味で使うことはあまりなく、「たぶん…だろう」の意で用いることの方がはるかに多い」と述べて、次のように整理しておられます。『GCD英語通信』56号(大修館、2015年)

That painting may well be genuine.(その絵はたぶん本物だろう)[=That painting is probably geunine.] 話し手の確信度は70%以上。

That painting may be genuine.(その絵は本物かもしれない) [=That painting is possibly geunine.] 話し手の確信度は30%以下。

 学習参考書の信頼度を占う際に、このmay well~をどのように記述しているかを、一つの判別式にしてみるとよいと思います(辞典を選ぶ際にも自分独自の「試し語」を持っていると便利です。以前の私は、英和辞典ではApril Fool’s Day、和英辞典では「初夜」でした)。松江北高で使っている『デュアルスコープ総合英語』(数研出版)は、(1)たぶん~だろう、(2)~するのももっともだ、としてそれぞれなぜそのような意味になるのか起源までこと細かく解説しており、グッドです。それに対して、ゼスター総合英語』(Z会)では、「may well doは「…するのももっともだ」という意味を表す。’推量’のmay のあとにwellがくることで確信の度合いが高くなり、「たぶん…だろう,…することは十分あり得る」という意味でも使われる」としてどちらが主流なのかが分かりません。

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