『L特急やくも殺人事件』

 著作数600冊までのカウントダウンが始まっている大好きな西村京太郎(にしむらきょうたろう)先生に、『L特急やくも殺人事件』という短編集があります。その表題作では、退職したばかりの警視庁の刑事が、娘を誘って、岡山県へ吉備路をめぐる旅に出かけます。古代史好きの父は吉備路を歩き、その間、娘は旅情ある倉敷を訪れることにして、「L特急やくも」の車内で待ち合わせる予定でした。ところが、父は伯備線との合流駅、総社には現れず、翌日、轢死体になって発見されます。岡山県警の事故死説に納得のいかない娘は、十津川警部に真相の究明を託します。なぜ元刑事は死ななければならなかったのか。十津川はその足取りをたどり、消えた手帳の謎を追います。タイトルは「特急やくも」となっていますが、岡山が主な舞台で、総社・備中高梁などの町で捜査が行われます。島根県は舞台として登場しません。L特急」という名称自体が懐かしいですね。元々「エル特急」という呼称自体に明確な定義がなかったことに加え、その後一部例外を除いてほぼすべての特急に自由席が設けられたり、全国的に急行が大幅に削減されて特急に編入されたり、新幹線の延伸により並行在来線の特急が廃止となるケースが増えたりする等、様々な影響により、徐々に本数の多い特急にあえてこの呼称を与える意義が薄れていきました。利用者からも「普通の特急とエル特急は料金も異なるのか?」といった疑問も寄せられ、列車種別として区別すること自体への否定的見解も多くなっていき、この呼称が廃止されるようになったんです。

 現在は、特急「やくも」として伯備線で活躍しています。振り子電車」というカーブの多い伯備線を速く走るための装置のおかげで、揺れが強烈に激しく、乗り物に弱い人たちの間では、評判のよくない電車です。先般も、熊本から松江北高に学校訪問に見えられた先生方が、「まいった!」とおっしゃっておられました。私はもう何十年も旅に出るときは、この電車にずっと乗り続けており、昨年一年だけでも30回以上乗っていますから、もう慣れて何ともありません。若い頃に、全国遠征で生徒引率をしていたときに、やくも号」の中でひどく酔った生徒が、私のズボンにゲロをはいたことがあります(笑)。まあそれぐらいに揺れる悪名高き電車なんです。「やくも」ではなくて「はくも」だと揶揄されたりもします。「カーブにさしかかった際に車体の傾きがやや遅れると、酔うようになる」とのことです。車体が傾く際に「振り遅れ」と呼ばれるわずかな時間差があり、カーブを過ぎた後も傾きが元に戻るまでの「揺り戻し」に時間差が生じるためです。そういえば、洗面所にゲロ袋」(正式には「エチケット袋」と言うんでしょうが)が設置してある特急列車も珍しいでしょうね。私は旅に出る時には、必ずこの「やくも号」に乗って松江を出発します。1号車グリーン車の1人掛け座席が私の愛用の指定席です。今年の1月4日、朝6時5分発の「やくも」に乗ったら、グリーン車は私一人、岡山に着くまでずっーと一人きり!でした。リラックスできましたね。これも珍しい体験でした。 ❤❤❤

▲これが悪名高きゲロ袋 近づいてよくよく見ると…(笑)

広告
カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中