東京スカイツリーの秘密

 「東京スカイツリー」は、東京都墨田区業平押上地区に建った高さ634m(=むさし)の電波塔です。名称は公募によるもので、18,606件の応募の中から、6つの候補に絞り込み、全国投票を実施しました。この結果、110,419票の中で、最高得票数32,699票を獲得した「東京スカイツリー」に決定しました。次点は、「東京EDOタワー」の31,185票で、僅差の得票数でした。

 なぜこんなに高い塔が必要だったのか?都心部には200mを超える超高層ビルが林立しており、ビルの影ではテレビ電波の受信に障害が生じる場所が出てきます。電波の安定送信には、周辺の建物の2倍以上の高さから電波を送る必要があるのです。そこで影響を受けにくい高い場所からの電波送信が検討され、600m級のタワーが望まれた訳です。

 「東京スカイツリー」をじっくりと観察してみると、なんとなく傾いているようにも見えますね。しかも見る角度によってどことなく傾きの角度が変化していくような気もします。実は、これには2つの理由があります。まず一つ目。「東京スカイツリー」は上部に伸びるにつれて底面の正三角形から円形へと徐々に変化していきます。三角形の辺がだんだん丸みを帯びておむすびのような形になり、高さ300m付近でほぼ円形に変わります。そこで、見る方向によって、日本刀に見られる「そり」と、寺社仏閣や数寄屋など日本の伝統的建物の柱に見られる「むくり」の2種類のカーブが見られると言う訳です。二つ目。低層部の正三角形から円へと徐々に変化することで、見る方向により中心軸がずれて見えることです。見る角度によって、重心の位置が建物の中心に見えないことが原因です。タワー自身が傾いているわけではありませんからご安心を。

 さて、行列に並んで、ようやく出発ゲートからエレベーターに乗って「第1展望台」に上がります。上部にいくほどすぼまっていくタワーが、ここで逆方向に広がるすり鉢状のフォルムとなっていますね。ガラス面の傾斜は19度。足元の景色を見やすくしてくれています。夕方や夜の室内照明がガラス面に映り込みにくくなり、外の風景がよりクリアになるという副次効果もあります。床の一部には強化ガラスをはめこんだ、真下をのぞき込めるコーナーもありましたね。私は怖くて(高所恐怖症)下を見ることなどできません。さらにエレベータで第2展望台」に上がると、展望台の周りをスパイラル状に取り囲む「空中回廊」が待っています。到着ロビーから通路幅2.4m、約110mの距離を歩いて展望台の周りをめぐり、約5mほど高い「展望ロビー」に到着します。この「自分で歩いて登る」という演出が、デザインのミソとなっています。デザインを設計した吉野 繁さんが、 当初から「ぜひつくりたい!」と考えていたものです。 本人によると、こんなことを考えてのものだそうです。東京スカイツリーへおいでになる方は、きっと、家から電車や車でやって来て、施設内ではエレベータやエスカレータを利用します。でも、最後、いちばん高いところへ行くのは、自力で、自分の体を使って登ってもらうのが、ドラマチックかなと。」「施設内の床はどこもフラットなので、最上部の空中回廊に行くときに、体の動きに変化をつけることで、より体験として印象深くなると考えました。」 眺望を得る視覚や見た目のデザインのみならず、 体感の仕方を考慮したものでした。「第1展望台は、インテリアを深い色にして、景色がより映えるようにしていますので、そこからの眺望を楽しんでもらえると嬉しいです。」「第2展望台は、逆にインテリアを白っぽくし、外からの光や時間をより感じられるようにしており、空中を歩くかのような浮遊感や、空との一体感を楽しんでもらえると嬉しいです。」 なるほど!こういったスカイツリーのうんちくについては「東京スカイツリー うんちく50(⇒コチラです)に詳しく出ていますので、ぜひご覧になってください。

 地上から「第1展望台」を結ぶ最新鋭エレベータは、600m/分で約50秒で結んでいます(東芝エレベーター)。エレベーターのかごの中の四季のデザイン(春・夏・秋・冬)が印象的でした。第1展望台」「第2展望台」は、240m/分で所要時間約30秒で結んでいます(日立製作所)。

 実はこの「東京スカイツリー」は、島根県・吉賀町出身の澄川喜一(すみがわきいち)先生(1931年―、元東京芸術大学学長)が、安藤忠雄(あんどうただお)さんとデザイン監修されたものです。このことは島根県人でも知らない人がたくさんいて、松江北高の生徒もほとんど知りません。「東京スカイツリー」のたもとには、澄川先生の「TO THE SKY」という彫像が、天に向かってそびえ立っています(下写真)。この彫像の中に入ってスカイツリーを臨むのが一番の絶景だ、と澄川先生はおっしゃっておられます。ぜひ試してみてください。澄川先生は、とある取材で「私は、清く正しく生きている人には、天女が見えると言っているんですよ(笑)」と冗談を飛ばしておられました。一方、島根県・松江市の「島根県立美術館」の屋外にも、同美術館のオープンを記念して制作された澄川先生の「風門」という作品があります(下写真)。両者はよく似ているでしょう。空に向かってそびえ立っているとっても印象的な作品で、美術館がいっそう映えています。これは磨き上げた部分は、しめ縄につり下げられる四手(しで)であり、下半分は花崗岩を割った状態となっています。宍道湖の風を迎え入れる結界を意図されているそうですよ。澄川先生の石像の産地はほとんど山口県黒髪島の花崗岩だそうです。私はこのモニュメントが大好きで、田和山方面(今井書店センター店、ぶんぶん堂、森のくまさん、モントローネ、ウィーンの森)に出かける途中に、よく寄り道をしています。私のヒーリング・スポットですね。❤❤❤

▲澄川先生の「TO THE SKY」

▲澄川先生の「風門」

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