i’m lovin’ it

dsc07964 好き嫌いや有・覚に関する状態動詞は進行形にならない(しょちすき」と覚えておくとよい)、ということは英文法でうるさく言われてきており、私も一年生の指導では必ず触れるポイントです。なのに「どうしてマクドナルドのテレビCMではI’m lovin’ itと進行形になっているのですか?」という質問を生徒から受けました。

i’m lovin’ it(アイムラヴィニット)は、マクドナルドにて2003年9月から導入された全世界統一の宣伝文句。直訳すると「私はそれが好き」。この場合の意味は「私のお気に入り」という意味。  ―ウィキペディア

とありますが、まったく正確ではありません。このように「ウィキペディア」に書かれている情報には注意が必要です(ウソも結構ありますから)。確かにこの表現を誤りとするネイティブスピーカーもいるんです。「好き」は進行形にはなりませんものね。今日はこの問題を深く掘り下げてみましょう。

     2003年9月からマクドナルドが使い始めた表記のキャッチコピー”i’m lovin’ it”、この英語は間違いであると断ずるネイティブ・スピーカーもずいぶんいます。以下をご覧ください。

(1)Well, ‘I’m loving it’ is more unusual, but if we said it, we would say it while doing the thing which we are loving. ‘I love it’ though, can be used for any time and situation.

(2)I’m loving it, is kind of a slang term….McDonald’s is famous for it…I love it, sounds better.

(3)It is grammatically correct, strictly speaking, but no one in their right mind would use it.  McDonald does, which proves my point.

(4)It is like the difference between “I am swimming” and “I swim”. Using the present participle (-ing) indicates that you are doing the action right now. So ‘I am loving it’ is grammatically correct and stresses that you are ‘loving it’ right now as we speak. However, it is not a common way to use the word love and is sort of slang. If you said to someone “I am loving you” it would indicate that right at the moment you are really enjoying that person’s company but it is far from the same meaning as “I love you” which is more permanent.

 本校前ALTのチェルシー先生のお考えは、こうでした。これは”more casual”な表現で、意味するところは、今も好きだがおそらく将来も好きだろう、というニュアンスだ。

 i‘m lovin’ it. は、「私はマクドナルドが好き」(I love it.)という永続的な気持ちを意味するのではなく、単に「これは美味しい」(It tastes good.)という味を表現するものでもありません。「ああ、美味しい」という話し手の気持ちが、食べるたびに美味しいと思う気持ちが重なり、「マクドナルドを食べるたびに美味しいと思う」「何度食べても美味しい」という、動的で臨場感のある意味合いとなっています。「~するたびに/何度~しても好きな気持ちになる」という繰り返しの経験を意味しているのです。つまり「美味しい」と思う気持ちが断続的に繰り返され、連続体をなしているので、進行形となっているのです。「状態の断続的連続体」と言ってもいいかもしれませんね。この表現の意味の詳細については、久野 明・高見健一『謎解きの英文法 時の表現』(くろしお出版、2013年)に詳しく出ていますのでご覧ください。あるプロの翻訳家はこれを「よだれが出ちゃう」と訳したそうです。

 これはもともと、ドイツのMcDonald’sの社員(英語が全くというほど出来ない人)が、”Ich liebe es” というドイツ語を、ウェブ上の翻訳サイトで翻訳したのがそもそもの始まりだ、という話を聞いたことがあります。“I’m loving it” という訳をアメリカの本社に提示したところ、そこに居並ぶアメリカ人たちは、この「一見間違っているように見えるからこそ『えっ?』と思わせて心に残る」キャッチフレーズをすっかり気に入ってしまい、間違いと思われることを承知の上で、全世界で使ってしまおう、と考えたらしいです。真偽のほとは分かりませんが、もっともらしい話ですね。キャッチフレーズとしてはまことに秀逸な言葉です。 ❤❤❤

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