水戸岡鋭治先生の考え方

DSC03066 私がちょっと休暇が取れるとすぐ九州に出かけるのは、JR九州を走る特急列車に大きな魅力を感じているからです。PHP研究所(編)『JR九州のひみつ』(PPH研究所、2013年)という本にその魅力が余すことなく載っています。やはりお客様に対する思いに他社とは大きな意識の差があることがわかります。列車の「名前」にも個性的なものが多いのも特徴ですね。ななつ星」「或る列車」「ソニック」「かもめ」「ゆふいんの森」「ハウステンボス」「みどり」「有明」「あそぼーい」「九州横断特急」「海幸山幸」「指宿のたまて箱」「A列車で行こう」「はやとの風」「いさぶろうしんぺい」等々。そしてそれらはすべて鉄道デザイナー・水戸岡鋭治(みとおかえいじ)先生の手のよるものです。外観のみならず、列車の内側にも他地域の特急列車には見ることのできないいろいろな工夫が施されています。その背景を先生は次のように述べておられます。

 絵画は額縁がしっかりしていないと、本当によい絵画に見えない。それと同じように、列車の室内の質がよくなければ車窓の風景もつまらなくなるかもしれない。ならば、額縁をしっかりさせようということです。列車の空間をしっかり質の高いものにすれば、景色は素晴らしい一枚の絵になっていくはず。新幹線の客室空間の質を高いものにすれば、きっとその窓の景色はもっともっと美しく見えるでしょう。0系新幹線に乗った時、ビュッフェでハンバーグ定食を食べながら富士山を見たという体験をよく覚えているのは、私がそんな考えをもっているからなのです。   ―水戸岡鋭治『水戸岡鋭治の「正しい」鉄道デザイン』(交通新聞社新書)

 あー、それで納得!列車内に木がふんだんに使われていたり、ミニ美術館のようなデッキになっていたり、車窓が非常に大きかったり、革張りのシートであったり、車内の床に絨毯が敷かれていたり、飛行機のような荷物入れであったり、展望ギャラリーになっていたり、これらはみなそういう考えのもとに設計されたものなんですね。列車としての機能美と、普遍性を備えた総合的で創造的な空間を目指しておられるのです。ここら辺が私を惹きつけてやまない理由です。

★列車名がここかしこに !!

 水戸岡先生がデザインされた列車には、その素敵な列車の「名前」が車両のいたるところにこれでもかというぐらいに表示されています。列車の先頭車正面はもちろん、窓ガラスボディ乗車口のドアデッキなどたくさんの場所に記されていますね。そんな表示の仕方を見て、やり過ぎだ」と批判される人もいます。水戸岡先生は全然構わない、と意にも介しません。ちょっと過剰だ」と思われるくらいが、楽しいグラフィック・デザインだと信じておられるからです。実はこれは乗客の記念撮影のためにやっておられることなんです。列車の乗客が旅から帰ってアルバム写真を見たり整理をしたりしている際に、どこかに列車名が写っていれば「ああ、この写真は「ゆふいんの森」に乗った時だ」と分かるわけです。写真がどこでいつ撮ったものかが一目瞭然に推理できる、そんなサービスのためにやっておられることなんですね。この手間暇が人の心を揺り動かすことになるわけです。特急「ソニック」を例にとって見てみましょう。

DSC01349

DSC00201
DSC01302DSC01314DSC01324DSC01357DSC01355DSC01350

広告
カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中