ディック・マードック

Dick Murdoch 今週の『週刊プロレス』が、故・ディック・マードックを特集していましたね。私は懐かしくなり、思わず買ってしまいました(若い頃は『週刊ゴング』『週刊プロレス』『大阪スポーツ』を定期購読していたくらいの熱狂的なプロレスファンでした)。1968年に22歳で初来日を果たして以来、日本のマット界に最も多く登場したレスラーの一人が、ディック・マードックです。

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 一流レスラーで、寝てよし、立ってよし、何をやってもうまい試合巧者でした。プロレスラーなのに本気になって喧嘩したら格闘王、前田日明でも勝てないとミスター高橋が断言するディック・マードック。ストリートファイトで本場アメリカのヘビー級プロボクサーを数人KO、あまりのトンパチで海兵隊を追い出されたという逸話を持つこの人(たくさんの武勇伝が残っています)、プロレスをやっても上手い!まじめにプロレスをやっていれば世界最高峰、NWA世界ヘビー級チャンピオン」になるチャンスもあったのに、ベルトというものに全く興味を示しませんでした。あんなベルトはいらねえ。チャンピオンになると試合が増えて忙しくなる。俺は忙しいのは嫌いだ。金なんかいらない!」欲が無いのとおふざけが大好きなため、チャンピオン候補から外されたけど何とも思わないこの人。場外乱闘から一足先にリングに戻ろうとする際、追いかける選手にトランクスを引っ張られて白いおしりを半分くらい出してしまう(半ケツ)、というおふざけを試合中見せるのがお決まりでした。場内は大爆笑、雰囲気が和んだものです。そして、寸止めの鼻へのパンチ、今は当たり前になったキラー・カール・コックス直伝の垂直落下式ブレーンバスター。新日本プロレスでは、ユニークで陽気なテキサス男というイメージの方が強くお酒(特にビールが)が大好き、一人で日本全国の「穴場」の飲み屋(屋台!)等を発見し飲み明かす、しかもちゃんと日本語を覚えていないのに、飲み屋用語だけはしっかり会得し「オネーサン、チベタイビール、モウイッパーイクダセーイ」と、日本「通」だったこの人。

 アントニオ猪木に、「本気でマードックを怒らせろ」と厳命を受けたミスター高橋、「お前のパンチなんて大した事ないぞ!と藤波が言ってたぞ」と焚きつけ、シングル戦で藤波辰巳はマードックに顔面ボコボコにされたのでした。目の縁に黒たんができるほどでした。翌日顔を腫らした藤波は、ミスター高橋にどうやってマードックを怒らせたのか聞いてきたと。そんなマードックも面倒見は凄く良かったそうで、レスラー仲間からも愛されました(黒人選手は除く)。しかし、現役時代から通風の発作予防薬を常用していて「痛みがここ(心臓)に出たら俺はgood-byさ」とよく胸を指していましたが、1996年突然の心臓発作で、49歳の若さでこの世から去って行きました。

 必殺技はキラー・カール・コックス直伝の「垂直落下式ブレーンバスター」で、相手にこれからこの技をかけようとするときには、必ず「ブレーンバスター!」と観客に大声で見栄を切って予告してから持ち上げるのが通例でした。そしてまっさかさまに頭から落とす、一撃必殺の決め技でした。カーフ・ブランディング」(子牛の焼印押し)も当時使い手がいなく珍しい技でした。本当に何から何まで一流のレスラーでしたが、無欲なために日本で巻いたベルトは、ジャンボ鶴田から奪取した「UNヘビー級チャンピオン」だけでした。

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