スーパーまつかぜ

 平成15年10月、山陰線鳥取~米子間の高速化工事の完成にあわせ、すでに導入していた187系車両の新型車両を追加投入し、鳥取~米子~益田間を運転していた「スーパーくにびき」の列車名を、「スーパーまつかぜ」に変更しました。それにより、鳥取~米子間の所要時間は大幅に短縮されました。車体には鳥取県の花「二十世紀梨の花」のエンブレム、または島根県の花「ボタン」のエンブレムがあしらってあります。

DSC01186

DSC01187 島根県と鳥取県による高速化事業によって、閉塞駅の1線スルー化や、カーブでのカント修正などが行なわれた山陰本線です。同時に導入されたのが283系オーシャンアローと同一の振子システムを搭載したキハ187系です。特急スーパーまつかぜ」は、身軽な2両編成で(日本一短い特急車両です)、日本海、宍道湖、中海、大山など数々の絶景を臨みつつ、高速で最終目的地を目指します。

 山陰本線の米子-鳥取間は、多額の税金が投入されて高速化工事が断行されました。かつて、このあたりの山陰本線は線路状態が非常に悪く、走行する列車は相当時間がかかっていました。それを約45億円を投じて地上設備を改善し、さらに36億円を投じて新型車両キハ187系が導入されたのです。地上設備改良費のうち8割近くは鳥取県などの公的資金で、車両導入費36億円も鳥取県がJR西日本に無利子で貸し付けて購入させたものです。工事が完成したのは2003年で、この高速化事業で、特急列車で70分かかっていた米子-鳥取間は、56分に短縮されました。JR西日本のような大企業に対して、地方自治体がここまで資金を出さなければ高速化がなされなかったことは残念に思います。しかし、元来が赤字区間ですから、JR西日本が自主的に整備するとも思えない。結局、自治体が補助しなければ何も改善しないという地方鉄道の現実の苦しみがここにあります。ちなみに、こうした公的補助による高速化事業の手法を開発したのは、島根県の澄田信義(すみたのぶよし)知事(当時)です。澄田知事は国鉄出身という経歴の知事でしたが、鉄道の事情がよくわかっているからこそ、そういう手法を考えたのでしょうね。

 最前列に座り、線路状態を眺めてみましょう。幸いなことに、スーパーまつかぜ」は最前列のシートからの展望は非常にいいんです。米子を出ると、列車はぐんぐんスピードを上げ、鳥取を目指して快調に飛ばしていきます。高速化事業のキモは、駅のポイントにあります。駅の前後にあるポイントが、直線(あるいは緩やかなカーブ)になっているのがわかるでしょうか?
まつかぜ2
まつかぜ3

高速化されてない鉄道のポイントはY字形になっているのですが、それだとポイント通過時に車体が左右に大きく揺れるのでスピードを出すことができません。高速化工事でそれが直線化され、スピードを落とさずにポイントを通過できるようになりました。これを「1線スルー化」と言います。こういう細かい積み重ねで、全体で十数分の時間短縮を成し遂げていく。鉄道のスピードアップとは、とても骨の折れる地道な作業なのですね。

 まつかぜもともと特急「まつかぜ」はキハ80系で京都駅⇒大阪駅⇒福知山線⇒山陰本線⇒関門トンネル⇒鹿児島本線⇒博多駅までを結ぶ特急として1961年から1986年まで運行されていた列車で、山陰本線系統では伝統ある愛称です。山陰地方に住む者にとって、とても懐かしい列車です(写真右)。

 山陰本線の高速化事業に基づいて導入された現在のキハ187系は最高時速120キロ/hで走り、単線非電化区間である鳥取~米子間でも平均時速90キロ/hで走行するなど、一昔前のローカル線の特急列車のイメージを完全に一新しています。実際に乗ってみると、かなりのスピード感がありました。先日ご紹介した「スーパーおき」と全く同型の車両で(⇒コチラで詳しく紹介しました)、最終目的地のみが異なります(益田を目指す「スーパーまつかぜ」、新山口が終点の「スーパーおき」)。

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