先生、その英語は使いません!

 私はデビッド・セイン(David Thayne)先生の大ファンで、その著作はほとんど読んでいます。日本での経験が長いので、その観察眼の鋭いこと、研ぎ澄まされた語感、いつも勉強させてCatheryn Craftいただいています。最近、同じような観点のキャサリン・クラフト・里中哲彦『先生、その英語は使いません! 学校で教わる不自然な英語100 Textbook English vs. Everyday English』(DHC、2016年)という本が出ました。学校英語を頭から否定・批判したりする本ではなく、言葉は、常に変化するものであり、英語もTPOに合わせて言い方が変わるのだから、それに合わせたリアル英語を教えてくれる本です。現在日本で「学校」と名のつくところで教えられている英語には、 文法的には正しくても、実際にネイティブが日常会話で使っているかというと、「?」という不自然な表現がたくさん含まれています。いったいどこが不自然かというと……
◎「話し言葉」と「書き言葉」がごっちゃまぜになっている
◎「むかし」と「いま」の表現が混在していてチグハグである
古めかしくてフォーマルな言いまわしが多い
◎ イキイキ感に欠ける

 「正しいけれど、もはや使われていない表現」「意味は伝わるけれど、ぎこちないフレーズ」にあふれています。たとえば、「テストの準備をする」の「準備をする」は、どの単語を使いますか? prepareという動詞を思い浮かべた人が多いのではないでしょうか。また、がんばった人をほめるとき、いつも、Good job!と声をかけていませんか?体のどこかを「痛めた」と言うとき、いつでもinjureを使えばOKだと思っていませんか?誰かに何か頼み事をするとき、Could you do me a favor?と言っておけば問題ないと思い込んでいませんか?実は、これらは、日常会話の表現として自然かと言えば、そうではないのです。

 本書では、英語のネイティヴ・スピーカーで、日本語、ロシア語、イタリア語、フランス語に流ちょうなマルチリンガルな著者が、長年日本人に英語を教えてきた経験をもとに、「学校」で教わる英語の“不自然さ”をていねいに解き明かし、 “伝わる英語”に変えるコツを豊富な例文とともにわかりやすく解説しています(この例文の多さが本書の大きな特徴です)。 “リアルな英語”とその適切な使い方を身につけることができます。以下は、本書で取り上げられた一例です。いずれも学校英語ではごく普通のものばかりですが、どこが問題なのかを考えてみてください。英語教師はこのような問題に敏感でありたいものです。

 訳者の里中先生(河合塾)はこんなことを「あとがき」に書いておられました。

 本書は、その刺激的なタイトルゆえに、おそるおそる手にとった読者も少なくないでしょう。「英語教師」の看板を掲げて30年になる私も、毎週末に送られてくる原稿を訳しながら、冷や汗をかいたことも一度や二度ではないことを告白しておきます。

Sorry to be late.
What's your hobby?
My sister is pregnant.
She is thin.
It's time you went to bed.
He told a lie.
I'm willing to do it.
Could you do me a favor?
Shall I pick you up?
I can't thank you enough.
You shouldn't speak ill of others.
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カテゴリー: 英語語法 パーマリンク

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