大活字マガジン西村京太郎

カシオペア 小説を雑誌形式にしたもので、大型活字で目に優しいのが嬉しい企画でした。週刊アサヒ芸能増刊1月6日号西村京太郎『寝台特急カシオペアを追え』(徳間書店、500円)です。雑誌形式なので、巻頭のグラビアページで、西村作品に出てくる寝台特急のカラー写真のグラビアページがあるのも嬉しい特徴です。長篇丸ごと入って500円という値段も嬉しいですね。これからどんどん西村作品を入れて欲しいのですが、どうなんでしょうね。

 寝台特急「カシオペア号」は、1999年7月、上野―札幌間を結ぶ新たな寝台特急として誕生したものです。この区間には青函トンネル開通と同時に誕生した寝台特急「北斗星」が走っていましたが、車両は国鉄から引き継いだものを改造した老朽化の著しいものでした。そこで新規開発した2階建てのステンレス製の車両で置き換えを図った豪華列車がカシオペアでした。ブルートレインと呼ばれる寝台特急のイメージとはかけ離れたもので、1編成しかないため隔日運転です。この希少性が乗車意欲を掻き立て、人気を博している列車です。特にカシオペアのスイートは一部屋しかなく、なかなか予約が取れないことで有名です。西村先生もこの作品の執筆のために取材で乗られたのですが、スイートは取れず、一級下の個室でした。執筆のためにどうしてもスイートの部屋を見ておきたい先生は、担当の編集者と一緒に無理を言って見せて貰うことにしました。ベッド二つのぜいたくなお部屋ですから、きっと金持ちのカップルが乗っていると思ったところ、乗っていたのは大学生らしい若い男性がたった一人でビックリしたと語っておられます。どうして一人で乗っているのかしつこく聞くと、「最近は、若い女性の一人旅が増えて、このカシオペアにもそれらしい女性が乗っている。彼女たちに向かってカシオペアスイートを見に来ませんかと誘うと、必ず来ますよ」とのこと。ナンパの道具に使っていたんですね(西村京太郎サスペンス十津川警部シリーズDVDコレクションVol.2による)。『旅と鉄道4月増刊号 さらば、北斗星 さらば、ブルートレイン』(2015年4月)には、西村先生のインタビュー記事「ブルートレイン―殺意と創意の間」が掲載され、創作活動の秘密を語っておられました。

 2016年3月26日から北海道新幹線が、新青森―新函館北斗間の運行開始に伴って、カシオペアも惜しまれつつ姿を消すことが決定し、上野駅発着の寝台特急はすべてなくなることになっています。

 また、この本の末尾には、山前 譲(編)「西村京太郎著作リスト」(~2015年12月31日)が掲載されており、昨年末の『無人駅と殺人と戦争』(トクマ・ノベルズ)まで、全部で568冊(!)が刊行されています。内容のギュットと詰まった1冊でした。1月になってからも新刊『北陸新幹線殺人事件』(JOY NOVELS)が上梓され、今読んでいるところです。西村先生、相変わらず絶好調です。 

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