「ファイナル・フレッド」

 今日は、私の大好きな手作りのトリック・デックの話です。自分で作って、もうずいぶん長く演じている作品です。かなりマニアックな話になります。

DSC02073 マジシャンはカード・ケースより一組のデックを取り出して、観客の一人に1枚のカードを自由に心に決めてもらいます。その後、マジシャンはテレパシーを使って、そのカードの名前を当ててみせようと宣言します。そして、マジシャンはおもむろに「一青 窈」と言います。観客の困惑した姿を見るなり、マジシャンはカードの裏面をよーく示します。すべてのカードの裏面一枚一枚に芸能人の名前が書いてあるではありませんか(さだまさし、小田和正、五輪真一青窈弓、竹内まりや、徳永英明、岡村孝子、松山千春、コブクロ、辛島美登里、西村由紀江、など八幡の好きな芸能人が大きく書かれています)。ここで観客の選んだカードの名前を聞きます。クラブの4」です。デックを広げていって「クラブの4」を抜き出します。裏を向けてみると、確かにそこには「一青 窈」と大きく書いてあるのです。そんなバカな?!これだけだとまぐれと思われるといけないので、もう一度やってみましょう。今度は逆に、芸能人の名前の書いてある裏面を見せていき、観客に1枚好きなカードを選んでもらいます。鬼塚ちひろ」を選びました。表を開けて見ると、スペードの4」です。最初から机の上に出してあった予言の紙を広げてみると、そこには「スペードの4」と大きく書いてあるのです。「二重の予言」が的中したことになります。信じられますか?●カードは全く自由に選ぶことができます。●フォースではありません。●すり替えも一切ありません、使うのは一組のカードだけです。●すぐにリセットできます。●この現象を演じるのにまったくのテクニック要らずです。

Phil Deck

 実はこれは「Phil Plus 2」として販売されているもののブランク版を購入して、自分でマーカーペンを使って、大好きな芸能人を書き込んだものです。もう長年演じて好評です。初期のころは、すでに最初から「Phil」という名前が印刷されたデックでしたが、近年は自分で自由にアレンジができるようにと、ブランク版が販売されているのです。

 マジックランドが毎年行っている「クローズアップ祭り箱根2014」で昨年のゲストを務めたマックス・メイビン(Max Maven)ことPhil Goldsteinさんが、レクチャーノート「Max Maven HAKONE 2014」DSC01469を出版していて(1800円、私は「マジックランド」で購入しました。わずか8ページほどの薄い薄いレクチャーノートですが、中身はどうして、たっぷりと濃くて深いものですよ)、その冒頭に、このデックの歴史について詳しく触れていて興味深いです。それによれば、このトリックの最初のバージョンは、フレッド・ロウの「クリステンド・リバース」で、1969年にまで遡ります。基本となるギャグはもっと古いもので、アメリカのライターであるアレキサンダー・ウルコットが1930年代に使った言い逃れのようなものに起源を遡ることができます。過去数十年にわたって多くの方法が開発されて、Phil さんも、1980年代初頭にこの方法を考案しました。しかし最近になって、南アフリカのトレヴァー・ダフィー(Trevor Duffy)がまったく同じバージョンを再考案して売り出し(マドリッドで開催された1985年のFISMにおいてデビュー)、それがまた偶然皮肉なことに、「ザ・フィル・デック」(The Phil Deck)という商品名だったのです。Max Mavenの本名は Phil Goldstein(フィル・ゴールドスタイン)なんです。ちなみに、二人はこの状況を話し合い、互いに不平のない合意にいたっているそうです。そして、このデックはフィルさんの承認を得て現在販売されているわけです。今、私が好んで演じているトリック・デックには、こんな長い歴史があったんですね。♠♣♥♦

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