ブルーマウンテンはなぜ消えた?

 私は大のコーヒー好きでして、美味しいコーヒーには目がありません。もう何十年とずっと「ブルーマウンテンのNo.1」を、UCCコーヒー」から仕入れて飲んでいましたが、昨年から店頭に並ばなくなってしまい、今は銀座「カフェパウリスタ」「森のコーヒー」を飲んでいます。ブルーマウンテン・コーヒーが日本市場から消えた理由については、昨年の10月に、このブログでも詳しく書いたことがあります。⇒コチラです  ハリケーンのせいで壊滅的な打撃を受け、生産量が激減したことが理由だと思っていました。UCC本社からもそう連絡がありましたから。

コンビニコーヒー 最近、川島良彰『コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか』(ポプラ新書、2015年)という本を読みました。どうやら私は思い違いを信じ込まされていたようです。この本の中に、衝撃的な本当の理由が述べられていました。世界を飛び回るコーヒーのプロの観察です。

 果たして、それが本当の理由なのでしょうか。  1981年から7年半ジャマイカに住み、ブルーマウンテンの農園開発と買い付けに従事し、現在も現地と直接取引をしている私は、2008年以降に起きた事件が現在のブルーマウンテン・コーヒーの品薄と高騰の原因だと思っています。  その原因をまとめてみましょう。ブルーマウンテン神話が生きていたころ、日本人バイヤーは頻繁にジャマイカを訪問し競って購入していました。すると一部の欲深い生産者が低級品との抱き合わせ販売をおこなったり、手付金を受け取っておきながらコーヒー豆の引き渡し不履行をおこなったり、中には計画倒産してしまった会社もあります。  1998年のハリケーン「ギルバート」の直撃で全滅したブルーマウンテンは、1992年以降復活し徐々に生産量を増やしていきましたが、2008年のリーマンショックで経済が冷え切ったため、日本人バイヤーがピタリとジャマイカに行かなくなり、いろいろな理由を付けて買い渋るようになりました。すると、ジャマイカのコーヒー関係者の日本詣でがはじまりましたが、デフレ経済に入った日本では結果は出ません。当然のことながら、精選・輸出業者は農家からの買い上げ量を減らし取引価格は下がり、小農家のコーヒー離れが加速していきました。  そのころ、日本の輸入商社や焙煎会社は、売れ残った倉庫に山積みされたブルーマウンテンコーヒーの在庫を売り切ろうと躍起になっていました。倉庫に置いておくだけで金利も倉庫代も嵩んでいきます。そして、温度も湿度も管理されていない倉庫で劣化したブルーマウンテンが、高い価格のまま平然と販売され続けました。  結果、愛好家のブルーマウンテン離れが起こりました。また、新しく参入した自家焙煎の人たちからは、ブルーマウンテンは最初からたいしたコーヒーではなく、ただの神話だとまで言われるようになりました。  2007年以降、生産量が5分の1まで落ちた最大の理由はハリケーンでも、サビ病でも、CBBでもありません。生産者が減ったからです。そして、ブランド力も低下してしまいました。  以前は、ブルーマウンテン・コーヒー総生産量の95%が日本向けの輸出でしたが、いまでは65%前後に下がっています。そして、ヨーロッパやアメリカ、韓国への輸出量が年々増加しています。  ブランドに胡坐をかいていたジャマイカの一部の生産者と、品質は二の次で金儲けに狂騒した日本のコーヒー会社がブルーマウンテン・コーヒーの神話を崩壊させてしまったのです。   (同書pp.149-151)

 そうなんだ。私はUCCの会社から送られてくる資料をそのまま信じ込んでいました。物にはいろいろと裏があるということですね。まずいコーヒーにもちゃんと理由があることが、この本を読むとよくわかります。コーヒーに関していろいろと発見のあった本でした。❤❤❤

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