フェデラル・エクスプレス

 DSC_0036  趣味のマジック商品を、アメリカから直接航空便で送ってもらうことが多いんです。もう長年、Hocus Pocusという会社の会員になって品物を仕入れています(割引あり)。配送は航空貨物最大手の米フェデラル・エクスプレス(フェデックス)社が取扱いです。アメリカから2~3日で自宅まで届くというスピード配達です。この会社、もう20年近く利用していますが、荷物の行方が分からなくなったということはわずか1回だけです(何とか探してもらって見つかりましたが)。昨年4月に、関西国際空港にも荷物の仕分けを行うフェデックスの貨物施設が作られましたね。

 この会社、1971年アメリカ合衆国アーカンソー州リトルロックで、元アメリカ合衆国海兵隊員フレッド・スミス(Frederick Wallace “Fred” Smith)によって、フェデラル・エクスプレス(Federal Express)として設立されました。彼は大学時代に飛行機に魅せられ、それがヒントとなり「空飛ぶ宅急便」を作ったのです。彼のアイデアは、自転車の車輪と同じ仕組みのネットワークを作って、航空便で荷物を全米に配送しようというものでした。アメリカ各地で集めた荷物をいったん円の中心地になるメンフィスに集め、そこから目的地別に全米に発送する。ちょうど自転車の車輪と同じ形をしているところから「ハブ・アンド・スポーク」方式と呼ばれています。彼はこの独創的なアイデアの原案を学生時代、イェール大学の経済学のクラスでレポートとして提出しました。ところが、教授からはほとんど評価されず、C(日本の大学では「可」に相当)という点数をつけられました。ビジネスの飛びぬけて優れたアイデアは、大学教授には手に負えなかったようです。しかし、その「ハブシステム」こそが、アメリカの広大な国土のほぼ全域で、オーバーナイトデリバリー(翌朝配達)を可能にしたのです。このレポートは、現在もフェデックスの本社に飾られているといいます。

fedex

 こうした優れたサービスと同等、あるいはそれ以上によく知られているのが、同社のロゴマークに施された、さりげないある「工夫」です。上のFedExのロゴマークには、実はある記号が隠されています。さて、どこに隠れているか、見つけられましたか?―――よーく見て、「E」と「X」の間に注目すると、そう、右向きの白い矢印が浮かび上がってきますね。この矢印、もちろん偶然生まれたものではありません。このロゴマークは、老舗デザイン会社の米ランドーアソーシエイツ社のリンドン・リーダー氏によって1994年に作られたもので、FedExロゴを決める準最終選考の際に、「E」と「X」の間に矢印らしい空間が生まれることに気づき、あえてわかりにくくデザインしたと語っています。

 これはロゴの準最終選考(semi-final)に残った6つの案のひとつだった。その時点で、Eのとなりに小文字のxを置くと、矢印っぽい感じになるのに気づいたんだ。それはすごく抽象的というか、あまりよくわからないレベルのものだけどね。でもこの「矢印」っていうコンセプトを入れられれば、「スピード」とか「正確さ」みたいな意味を持たせられると思った。他のデザイン案のなかにはもっとわかりやすく矢印をデザイン化したものもあった。でも矢印を「隠している」ものはなかったんだ。

 この矢印にはFedEx最大の強みである物流スピード、そして確実に荷物を届けるという正確さが込められており、まさに「スピードと正確さ」を表すのにぴったりのロゴマークとなっています。しかし、それならばもっとわかりやすく表示しても良さそうなものですよね。デザイナー仲間の大半は、一目見ただけではこの隠された矢印を見つけられなかったといいます。最終選考の際、同じように感じた会社側の人間が、矢印に色を付けたり、矢印を囲んだりして、もっと矢印を目立たせてほしい、と依頼したそうです。しかし、リンドン・リーダー氏はこの依頼をきっぱりと「とんでもない」と拒絶します。ただの矢印は見る気にもならない。興味を掻き立てるためには巧妙さを織り込まなければならない」と語っていたそうです。

 このデザインが最終決定する前に、FedExの広報代理店が「スピードと正確さ」というポジショニングを強化するためと称して、矢印を強調しようとしてきたよ。それでいろいろと横やりを入れてきたんだが、Landor(サンフランシスコのデザインコンサルタント会社。当時Lindon Leaderもここに所属していた)はそれをはねつけた。「バカを言うな。絶対にダメだ」 このデザインにおける矢印は「オチ」みたいなものだ。それに気づかなくても充分に力のあるロゴだけど、誰かがこの矢印に気づく。そうしたらもうこのことが忘れられなくなるし、「このロゴに何が隠れているかわかる?」と誰かに言いたくなる。その大事なオチを前もって説明するようなことはできないだろう?

about-home-fedex-facts さり気なくロゴマーク内に矢印が描かれていることで、矢印を見つけた人々は、その「秘密」を人に話したくなります。こうして人から人へとFedExの矢印の秘密が噂されることで、最終的にはFedEx自体の企業の宣伝になるわけです。リンドン・リーダー氏のこの狙いに対し、FedEx側の人間は「ならこれで行こう」とゴーサインを出したといいます。彼が狙ったこの効果は、「ねえ、知ってる?」、今で言うクチコミ効果で広がり、知らず知らずのうちに浸透したわけです。人に話したくなるちょっとした秘密をロゴマークに盛り込むというこのアイデアは見事功を奏し、今では世界中の数々のサイトでフェデックス(FedEx)のロゴマークの秘密が語られています。この私のブログのように。❤❤❤

 

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