コロケーション

CNN english express 今月の『CNN english express』11(朝日出版、1440円)の特集は「単語同士に相性がある!?日常会話に強くなる英語コロケーション」というものでした。ネイティブらしい英語を発信するためには、どうしても「自然な単語の組み合わせ」=コロケーションを知っていなくてはいけません。日本人が間違えやすい語彙的コロケーション」「-ly副詞のコロケーション」「動詞・形容詞・名詞の文法的コロケーション」「特殊なコロケーション」をクイズ形式で学びながら、知識を増やしていこうという特集でした。

 また近年のコーパス研究の成果として、persuadeはしばしば「積極的に試みる」という意味をあらわす動詞・名詞とともに用いられ、make progressには「かなりの/少しの/急速な/緩慢な/着実な」のような進歩の程度をあらわす副詞とともに用いられ、regret to do「残念ながら~する」では、不定詞の後にsay/ inform/ announce/ advise/ reportなどの「何かを伝える」意味の動詞がくること、などが報告されています。とても勉強になる記事でした。

 著者は『プログレッシブ英語コロケーション辞典』(小学館)塚本倫久(つかもとみちひさ)教授です。古くは勝俣の『活用辞典』(研究社)、最近のものではBBIやOxfordのコロケーション辞典が利用できますね。

 ただ、この特集記事の中で気になったのは

 「きついスケジュール」の「きつい」はtightで、×a hard scheduleとは言わないので要注意です。

という箇所です。少し議論が乱暴で(ほとんどの辞典も同じ誤りを犯していますが)、現実の語法を反映してはいません。本当に和製英語なのか?、まったく使われないのか?、tight / heavy / hardで意味の相違はないのか?、など考察すべき問題はたくさんあると思われます。山根一文「和製英語はどこまで理解されるか―現地(アメリカ合衆国)調査報告(5) 『中村学園大学・中村学園短期大学部研究紀要』第46号(2014年)の調査結果によれば、hard scheduleを「100%理解できる」が27人、「ある程度理解できる」7人、「まったく理解できない」0人、という結果でした。⇒原文はコチラで読めます

 私の英米の辞書編集者との検討でも、ボリンジャー博士、イルソン博士との議論でも、ネイティブたちとの検討からも、この表現は「和製英語」ではありません。れっきとした英語で、意味が異なります。もちろんBBIが挙げているようにfull, heavy, rigid などを使うのが普通ですが、私の調査によれば以下のような形容詞を一緒に使うことができます:  arduous/ backbreaking/ busy/ difficult/ firm/ full/ hard/ heavy/ packed/ relentless/ rigid/ rough/ severe/ stiff/ strenuous/ strict/ tight/ time-consuming/ toilsome/ tough  詳しくは、八幡成人「ボリンジャー博士の語法診断(第4回)」『現代英語教育』7(研究社、1990年)をご覧ください。

 議論のとっかかりは、以前、このブログでも「ハードスケジュールは和製英語?」と題して簡単に扱ったことがありますのでご覧ください。⇒コチラです

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