桐原書店再びピンチ!

 英語教材の大手桐原書店が、身売りしたことは業界に大きな衝撃でした。幸い資格・検定試験教材のTACが100%子会社である「TAC桐原書店」を設立し、桐原書店の事業全部を譲り受ける事業譲渡が8月に合意していました。担当営業の方の情報によれば、今まで通り教材はお届けして大きな影響はない、とのことで安心していたんです。ところが、10月1日付けでTACは、事業の全部を譲り受ける事業譲渡契約書を締結していたが、同日開催の臨時取締役会で事業譲受を中止することを決議しました。原因は、桐原書店の一部の出版権が期日までに移転されないことが確実となったためだといいます(同社ホームページによる)。

 桐原書店が出版する代表的な出版物の一部についての出版権が期日である10月1日までに移転されないことが確実となり、TACはこれらの出版権が有効に移転されないのであれば、事業譲受の目的の実現は不可能であると判断し、桐原書店の事業全部の譲受を中止することとしたわけです。

 ここでいう代表的な出版物というのは、私の推測ですが、ドル箱的な英語参考書である『Forest(フォレスト)』や『ネクステージ』などが該当するのではと考えられます。TACが桐原書店を買収する理由は、語学書系のコンテンツのラインナップを充実させることで、事業領域の拡大・新分野への成長を図るはずでした。しかし、桐原書店の代表的な出版物を出版できないのであれば、買収の意味がないというのは分からないでもありません。でも契約を取り決める際に、細かく詰めがしてあればこんなドタバタ劇は起こらないはずなんですが。いったいどういった経緯で桐原書店の出版権が移転されなかったのかは定かではありませんが、出版物の著者たちが出版権を譲らなかったことが考えられます。今後の展開についてはなんら発表されていません。TACと桐原書店の統合は、インパクトが大きかっただけに、肩透かしを食わされた感が拭えません。

 以前、桐原書店の営業・編集の人たちが大挙して「いいづな書店」に移ったのも衝撃的な出来事でした。ピアソンに買収されて、息を吹き返したはずでしたが、これも長続きしませんでした。当時、私も『センター試験英語過去問題集 文法・語法頻出17項目の演習TREND 17』(ピアソン桐原)という参考書を出しましたが、その担当の労を取ってくださった編集長、編集者の方は、この本が出ると同時に桐原を去りました。予感があったのでしょうか。

 なお、事業譲受の中止により、TACの業績や桐原書店の出版物、店頭を通じた商品の流通には影響がないとのことです。が、果たしてどうなんでしょう。行方を見守りたいと思います。まず当面は、金曜日に学校で販売予定の桐原の問題集が無事に販売できるかどうか、です。

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