川江美奈子「愛してる」

川江美奈子 シルバー連休中に毎日のように聞いていたのが、この川江美奈子(かわえみなこ)さんの「愛してる」でした。アルバム『Letters 2―愛に帰ろう』に収録されていて、何度聞いてもいい曲です。聴く者の心をグッと掴む豊かな叙情性、洗練されたポップスとしての完成度を併せ持った彼女の歌は、数多くのシンガー、クリエイターによって愛され、高い評価を得てきました。一青 窈さんは彼女の声に惚れ込んで、新アルバムでもコーラスとして参加してもらっています。

 まずは、その経歴から。大学時代にコーラス・サークル“street coner symphony”に在籍していた彼女は、1992年にア・カペラ・グループ”TRY-TONE”を結成。1994年にメジャー・デビューを果すが、その3年後にはグループを脱退し、米国「バークリー音楽院」でピアノと編曲を学びました。彼女の楽曲からほのかに感じられるジャズのエッセンスは、おそらくこのときに吸収したものでしょう。1999年に帰国した彼女はまず、作詞・作曲家としての活動をスタートさせる。この時期、彼女の転機になったのは、プロデュサー武部聡志さんとの出会いです。松任谷由実さんら数多くのシンガーを手掛けてきた武部さんは、彼女の才能を高く評価し、その作品を積極的に起用しました。それにともない、川江さんの知名度も少しずつ上がっていきました。そして2004年、ついに彼女は、シングル「願い唄」でシンガー・ソングライターとしてのソロ・デビューを果します。

 内向的な繊細な感情を切なく綴り、感情のベクトルを外へ解き放ったアルバムを次々と作成し、彼女のベーシックなスタイルであるピアノの弾き語りによるバラードを確立しました。透明感あふれる声と濃密な感情表現が一つになったヴォーカリゼーションは、まさに絶品です!また“ピアノの弾き語り”というスタイルも、繊細な感情をまっすぐに響かせるという意味において正解だったと思います。その臨場感あふれる演奏からはきっと、彼女のライヴ・パフォーマーとしての魅力も感じ取ることができます。私の好きな「ピアノ」という曲は、自身の病気・手術の体験から、“旅立っていく(=死)人の気持ち”を描いたもので、“死”を色濃く感じさせながらも、聴き終わったときには“いま、この瞬間をしっかりと生きていきたい”という前向きな感情が残る調べです。時の流れという儚さを認識しながらも、“生”に対する思いを強く伝えていく、シンガー・ソングライター、川江美奈子の核の部分を端的に示す楽曲だと感じています。“ノスタルジックな空気、恋愛における溢れんばかりの情念、そして、自分の生を全うしたいという強い思い。その時々の感情のグラデーションを、美しくソフィスティケイトされたソングライティングによって、質の高いポップスへと導いていく”。川江美奈子の素晴らしさを説明すれば、そういうことになるのでしょう。人気はいまいちですが、すでに豊かなキャリアを持っている彼女、その音楽はさらに実りある季節を迎えつつあります。

 フロデューサーの武部さんは川江さんを、逆に川江さんは武部さんをプロデューサーとしてどういうタイプに見ているか、という質問に対して

武部 ― 「僕は、彼女の場合、ある程度の音楽的な知識もあり、曲を書くということに関してのクオリティも高いし、すごく優等生的な部分があるのをどうにかそうではなくしたいといつも思ってて。優等生のよさもあるんだよ、もちろん。だけど、そうではない、きっといままで僕らにも見せていないものがまだまだあるんじゃないかと思っていて。そこをもう少し掘り下げたいなって思ってるんです」

川江 ― 「武部さんはそういうまだまだ見ていない部分を掘り下げるのが好きなプロデューサーだと思います(笑)。私の作品に限らず、すごく女心を女のように解る人だから……。女性に限らないですけど、その相手の人の心の奥まで知った上で作品を作ろうとする。それでこそきっと開ける扉があるっていつも思っていらっしゃるのかも。なおかつその音楽的な部分では、遠回りをせずに一番いいものを選ぶことができるめずらしい存在です。日本の宝!」

 川江さんは自分がこれまでに作った歌で一番好きな曲は「恋」、一方の武部さんは「relationship」だと言います。どちらも川江さんらしい弾き語りです。聞いてみましょう。❤❤❤

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