make it a rule to V

 最近の『英語教育』6月号(2015年,大修館)「クエスチョンボックス」欄で、make it a rule to doという成句に関する議論がありました。質問者は、佐久間 治『ネイティブが使う英語・避ける英語』(2013年、研究社)「この表現はすでに廃用の域に入っている」という言葉を引用して、「make it a rule to do=~することにしている」と学校で教えるのは正しくない、と結んでいます。それに対して、回答者の原川博善先生は、次のようなポイントの解説をしておられます。

(1)make it a rule to doは「堅い表現」である。
(2)意味は単に「~することにしている」ではなくて、「(行動基準・
信念として)~することにしている」の意味である。
(3)コーパス検索より、make it a rule よりもmake a habit of
の方が多く使われている。
(4)英米の学習辞典が成句・用例を挙げていることからも「すでに廃用
の域に入っている」とは言えない。

 この語法の実態は、ほぼ(全部ではない)原川先生のおっしゃる通りだと思います。受験英語の参考書や熟語集には必ず出てくる表現ですから、ここで確認しておくことも意味があると思われますので、私が以前に『ライトハウス英和辞典』の編集作業を進める中で明らかになった三点をお知らせしておきます。

 まずは、make it a rule to doは英米の辞典も取り上げていることからも、決して「廃用」ではありません。私たちの編集顧問のアルジオ博士も、確かにbe in the habit of doingalways/ usuallyas a ruleなどと比べて”less common”であることは認めておられますが、決して特段”old-fashioned”ではないと思う、と観察しておられます。決して”out of date”ではなく、”less common”なだけだ、というのが博士のご意見でした。

 原川先生の回答では、make it a rule to domake a habit of doingを比べて頻度比較をしておられますが、これは意味のないことです。なぜなら両者は意味が異なるのですから。make it a rule to doは”to act according to a principle” 、make a habit of doingは”to do it frequently “ということです。私たちの編集顧問のイルソン博士が、この両者の意味の違いに着目しておられます。

 質問者も回答者もともに、佐久間先生の著書で見逃しておられますが、「現在、この構文がその活路を見出しているとすれば、否定形であろう」という重要な指摘です。英米の辞典に挙げられた用例が、ほとんど否定形であることに注目したいと思います。「主義・信条として~しないことにしている」という言い回しはすんなり入ってきますよね。「否定形でよく用いられる」という注記があってもよいと考えます。 

I make it a rule not to eat fatty foods. [CALD]
I make it a rule never to mix business with pleasure. [LDOCE]
He makes it a rule never to borrow money. [OALD]
I make it a rule not to take on friends as clients. [LAAD]
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