森のコーヒー

 「銀ブラ」という言葉がありますね。銀ブラとは銀座をブラブラすることで、東京の街を闊歩し始めた大正時代から使われた言葉だと言います。「銀ブラ」は仕事や買い物といった用件は特になく、なんとなくブラブラと歩くことなんですが、銀座の町並みが変わったせいか、昭和末期にはすでに死語となってしまいました。ただし、現代でも「銀ブラ」といった場合、ほとんどがこの意味で使われていますね。

IMG_6975 ところが、「銀ブラ」は「東京都・中央区・銀座のコーヒー店・カフェーパウリスタでブラジルコーヒーを飲みに行くこと」であるとする説が、1990年代末頃から新聞記事などに見られるようになりました。同店自身も、現在、訪れたお客さんに対して、「あなたは本日、銀ブラを楽しんだ事を証明します」という「銀ブラ証明書」IMG_7139(スタンプカード)を発行しているくらいです。私も同店を訪れ、もらってきました(左写真)。あの芥川龍之介、森 IMG_6981鴎外、谷崎潤一郎、与謝野晶子、菊池 寛、正宗白鳥、徳田秋声、井上ひさし、アインシュタイン、ジョン・レノン夫妻(来日時に三日三晩来店したそうです)も足しげく通ったそうです(明治44年銀座店オープン)。先日、東京に出た折に、私もタクシーを飛ばして行ってみました。ほとんどが外国人のお客さんばかりで、店内は非常ににぎわっていました。お店の雰囲IMG_6983気もよく、店員さんも親切で、落ち着いてコーヒーに浸ることができる素敵な空間でした。お店の玄関では、外国人の人達がしきりに記念撮影をしておられましたよ。マニアの人達にとっては有名なお店なんですね。カップやスプーンは昔のままを復元し、壁紙や鏡に昔の面影がとどめられています。

 カフェーパウリスタ(日東珈琲)の5代目社長、長谷川泰三による『カフエーパウリスタ物語』(2008年)には以下のように記されています。

「銀ブラ」という言葉は、一般には「東京の繁華街銀座通りをぶらぶら散歩すること」(岩波書店『広辞苑』より)と信じられているが、「銀座のカフエーパウリスタでブラジル珈琲を飲む」ことであるらしい。銀座の銀とブラジルのブラを取って「銀ブラ」とした新語で、語源は慶應の学生たちが造り、流行させた言葉のようだ。

 各種の調査によれば、現状では、「銀座でブラジルコーヒー」説は、民間語源説のひとつと捉えるのが妥当のようです。「銀座でブラジルコーヒー」説は「トリックを駆使して創られた平成年製の「『銀ブラ』の語源」」「語源といえる実態を備えていない、平成の造語」と論じ、これを鵜吞みにする「不勉強なマスコミとマスコミ人」への警鐘が鳴らされているようです。ちなみに『三省堂国語辞典 第七版』の「銀ぶら」の項目では、以下のように、この語源説を「あやまり」と断定しています。

銀ぶら(中略)〔俗〕東京の銀座通りを ぶらぶら散歩すること。〔大正時代からのことば。「もと、銀座でブラジル コーヒーを飲むことだった」という説はあやまり〕

IMG_6978 さて前置きはこのくらいにして、この銀座の「カフェパウリスタ」「森のコーヒー」が美味しいんです。私も人に薦められて飲んでみたのですが、明るくさわやかな絶妙な酸味と、素晴らしい甘み、豊かなコクのバランスに、しっかりとした風味に惹かれました。甘みがあり、香り豊かで後味がさわやかなマイルドコーヒーです。私は結構コーヒーにうるさいんですが、何でも、コーヒー栽培を追求した結果、ジャングルのような森で、農薬や化学肥料を一切使わずに剪定もせずに、薄暗い森の自然のままで育ったコーヒーが「森のコーヒー」の言われです。未完熟な豆を選別除去して完熟豆のみをIMG_6985使用し、ブラジルの栽培農園から直接買い付け、無農薬栽培に誇りをもって生産している農園から出荷されるコーヒーです。それを天日干しで豆の風味を守り、伝統の自家焙煎で一釜一釜丁寧に焼いて飲めるようになったのが「森のコーヒー」なんです。口の中に残る余韻の心地よさに魅了された私は、早速定期配達をお願いしたところです。今は朝晩もっぱらこのコーヒーを飲んでいます。

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