謙虚

 ある「新人俳優」が、まだデビュー間もない頃、撮影所内にいた日活の映画俳優やスタッフたちに、一人一人挨拶に出向いたそうです。しかし、誰もつっけんどんで、「あ、そう。ま、せいぜい頑張りな」といった応対しかしてくれなかったといいます。中には彼が挨拶しても、テーブルの上に足を乗せたまま、タバコをふかしたまま、無視する人もいたそうです。しかしその中に一人だけは、日活食堂の席を立って深々と一礼しながらこう返答したそうです。「こちらこそ、どうかよろしくお願いします。これから、一緒に頑張っていきましょう」。この人が、当時すでに大スターだった石原裕次郎(いしはらゆうじろう)さんです。この新人俳優は、石原さんの丁寧な態度にいたく感激・敬服して、自分はこの人に一生ついていこう。俳優として大成しなかったら、この人のお抱え運転手でもいい。雑用係でもいい。とにかく、この人のそばにいたい!」と、心から思ったといいます。親しみと好感を持ったことだけは間違いありません。実は、この新人俳優こそが、今の石原プロモーション社長・渡 哲也(わたりてつや)さんです。万人憧れの大スター石原さんは、誰に対しても謙虚な姿勢で接し、とても腰の低い人だったようですね。「♪夜霧よ今夜もありがとうーーー」と、夜霧にまでお礼を言う人ですから(笑)。

 もう一つ、石原裕次郎さんにまつわるお話を。スタッフと一緒に、銀座の寿司屋で食事をしていたんです。そのとき石原さんは、お抱え運転手を外で一時間ほど待たせていましたが、寿司屋から出てくるやいなや、真っ先に運転手にこう言いながら、特上の握り寿司を渡しました一時間も待たせてしまって悪いことをしたね。お詫びに、このお寿司を家族と一緒に食べなさい。そうそう、きみのところは小さな子供もいると聞いていたから、半分はわさびを抜いておいたよ」 この言葉を聞いた運転手がどれほど感激したかは、想像に難くありません。「自分や家族のことまで気にかけてくれるなんて、裕次郎さんはなんて器の大きい人だろう」と、大感激したことだけは間違いありません。

 私はこのエピソードを、植西 聡『「宇宙銀行」の使い方』(サンマーク出版、2014年)で読んだのですが(これとってもいい本で参考になります)、気配り、謙虚な姿勢の大切さを学んだことでした。

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