バビルサの牙

DSCN4779 テレビ朝日系木曜ミステリー「科捜研の女」の主題歌で、大好きな柴田 淳(しばたじゅん)さんの「車窓」が流れています。ドラマでは一部分しか流れなかったので、早くフルで聴きたかったんです。この曲が収録された彼女のニューアルバム『バビルサの牙』が発売になり(12月17日)買いに行ってきました。前作『あなたと見た夢 君のいない朝』以来、1年9ヶ月ぶりとなるアルバムとなります。サウンドプロデューサーには坂本昌之、澤近泰輔、全国ツアーで夢の共演をはたしたC.C.Kingの参加、そのメンバー森俊之との初タッグとなる作品も収録しています。透明感のあるボーカルと、女性の情念を繊細に描いた詞の世界が、広く支持されています。「車窓」に関して柴田さんのコメントです。

 「この曲を作り、前向きな姿とは、前向きに自分を奮い立たせている姿とは、実はこんなにも切ないものなんだと改めて気付きました。前向きさというのは、どこか元気なイメージがありますが、前向きになるということは、そうせざるを得ない現状があり、何か負の感情を振り切って進むこともあると思うんです。笑顔は時にどんな涙よりも切なくさせられるものなんだと、改めて気付けた一曲になりました。またドラマのクライマックスで使って頂けることとなり、「科捜研の女」はただ犯人を見つけるだけでなく、どんな事件でも裏には様々なドラマが隠れていることを描かれているので、ドラマの終わりにはどこか切なく、何か暖かく、ホッとする感情にさせられます。そのドラマのメッセージと歌のメッセージがとても合っていて、2話では感極まってしまいました。私の曲が流れる事で、ドラマのメッセージがより伝わる存在になれることを願っています。」

 最近の柴田さんのダイアリーを読んでいると、情緒不安定、本当に心がフリーズしている状態が伝わってきます。いったいどうしちゃったんだろう、とこっちが心配するぐらいめげちゃっています。自分でもちゃんと分析しておられます。「掘り下げる事、ほじくること、ディープな曲、鋭い歌詞。。。。そんなものは、心がビンビンに元気でないと、実は作れないのです。暗い、重ーーい曲ほど、私自身はとても元気な時に出来上がるんです。今は、心が迷子、どこにあるかわからない。何をしでかすか、、、っていうか、危ない事を既にしでかしてしまったりしています。バカみたいな傷を負ってしまったこともあります。自分を安売りし過ぎたり(苦笑)。精神が不安定で、顔面から転び、歯を折り、未だに髪は抜けてしまい、本当にボロボロな中で作った、私自身です。そんな中生まれた曲を、採用してくださったテレビ朝日さん。「科捜研の女」のスタッフさん。本当にありがとうございます!!!!」

 オフィシャルサイトの日記の中で、次のように語っておられました。⇒コチラです

 いつもの私なら、こうです!ここはこうしてください!違います!こうです!と、ちゃんと明確に最後まで完成の形まで拘りが沢山あって、答えられたでしょう。だけど、今年の私は、自分がどんな顔をしているのかさえわからないほど、何もかもがわからない自分でした。ガイドが必要でした。しかし、誰もいませんでした。それが、本当に大変でした。もう二度とこんなレコーディングは御免です。それでも、沢山の素晴らしい超一流のアーティストの方々が、曲をきらきらと輝かせて下さいました。新しいチャレンジが散りばめられた一枚になりました。しかし、素晴らしい演奏も、音の加工の段階で、私がめちゃくちゃにしてしまったかもIMG_5856しれません。そう思ったら、涙がしばらく止まりませんでした。皆さんの想いが詰まってる音を、私が台無しにしてしまっていたら、、、、って。アルバムを聴いて、いつもと音が違う、そんな風に感じたなら、それこそが作品です。めちゃくちゃになった音こそが、私の今のリアルな作品です。いつもなら、一曲一曲に意味があったでしょう。もちろん今回だって無い訳ではありません。しかし、今回のアルバムは、一曲一曲ではなく、この一枚そのものが作品です。いつもよりディープに感じないなら、感じないということが作品です。いつもの柴田淳らしくない、と感じたら、それが今の飽和状態の心を表せた作品かもしれません。どこがどうとは言えないけれど、感じてくる、そんな一枚になったんじゃないかと思っています。いつも、ありのまま、いつもその時の私をリアルに切り取る事、それをコンセプトにしてきました。今回は、この一枚の姿そのもので、表現されています。どうぞ、今の私を感じて下さい。

バビルサ それにしても『バビルサの牙』とは物騒なタイトルです。バビルサ というのは、体長85―105 cm。肩高65―85cmで、その2対の牙で有名です。上下の犬歯はとても発達し、頭の方に湾曲しています。牙が自分の方に向かって生えていて、突き刺さったら死んじゃう生き物で、実際に博物館には牙が刺さった状態の頭蓋骨まであります。オスのものは、肉を貫き鼻の天辺から突き出ている程です。この牙は何のためにあるのかはっきりとしたことはわかっていませんが、牙が折れているメスよりも、牙が立派なオスのほうがよりメスと交尾できることが分かっています。時折オス同士で喧嘩をして相手の牙を折るのは、競争相手を減らすためだと考えられています。このような独特な外観を持ちながら、個体数は年々減少の一途をたどっており、現在数千頭程です。理由としては、森林伐採や密猟の他、一回に産む子供の数が1,2頭と少ないこと、前述した条件を満たす生息地が人間の生活圏と重なってしまい、開発されて住処を奪われたり、害獣として駆除されたりというようなことが起こっていることが挙げられます。上に伸びる牙は、弧を描いて後ろに曲がり、目の前に来る。そのまま伸びると頭に突き刺さりそうな気がすることから、「最後には牙が頭に刺さって死に至る」とのうわさ話があり、そこから「自分の死を見つめる動物」という呼び名があります。

IMG_5859 では、何でこんな珍しい動物の名前をタイトルにしたのか?「自分の死を見つめる動物」の意味合いから、柴田さんが死を見つめて作った作品なんじゃないかって、いろんな人に言われるそうですが、実はそうではないんです。『Songs』1月号(ドレミ楽譜出版社)のインタビューで、はっきりと答えておられました。バビルサって牙が自分に向かって生えてきて、突き刺さったら死んじゃうっていう生き物で、博物館には牙が刺さった状態の頭蓋骨まであるわけです。だから、実際に突き刺さって死んじゃった子もいるんですよね。でも、調べたら、牙が長ければ長いほどモテるらしい。子孫繁栄できる。だけど、伸びると刺さっちゃって短命。その一方で、その牙が折れたらモテないから子孫は残せないけれど、長生きできるんです。子孫を残して短命か、子孫を残さず長生きするか、すごく両極端。牙だけで運命が左右されてしまう生き物にドラマを感じたと言います。そんな時に、散歩の途中で転んで顔面から突っ込み、前歯を折ってしまいました。バビルサは牙を折るとずっと独身状態が続くわけですけど、私も歯を折って、しかも、いい年で独身(アラフォー)。牙が折れたほうのバビルサと自分を重ね合わせちゃったんですよね。一人で生きていくことをよく考えるようになったと言います。何のために生きているんだろう?仕事を取った私はどこに向かっていけばいいんだろうって。この作品は、アルバムを作ってからタイトルを付けたのではなく、その前に次のアルバムは『バビルサの牙』にしようと思って、そこから制作が始まったものです。

 柴田さんが初めて経験した空っぽの自分と向き合い、もがきながら作り上げたアルバムです。泣けます。いい曲満載です。ぜひ聴いてみてください。コチラのインタビューも、今の柴田さんの心を探る格好の材料となります。撮り下ろしの写真と今の彼女の気持ちは次のインタビューで。⇒コチラです

 先ほどの「科捜研の女」が、シリーズ誕生15周年の記念の締めくくりとして、12月21日(日)夜9時から2時間10分の「年末拡大スペシャル」で放送されました。見ていたら、びっくりしたことに柴田 淳さんご本人が、この番組に出演したのです!物語は沢口靖子演じる科学捜査研究員の榊マリコが、中学時代に親友の京子にプレゼントしたはずの針金のブローチが、白骨死体と共に見つかるところから始まります。2人の間にいったい何があったのか?マリコ自身の過去が事件を解くカギを握るという、今までにないストーリーが展開されていくのですが、なんと、その作中に柴田さん本人が修道女としてカメオ出演(俳優・歌手・監督、時には政治家やスポーツ選手などがゲストとしてほんの短い時間、映画・ドラマ・舞台に出演する事。脇役でありながら独特の存在感を占めるケースが多いため、遠目からでもはっきりと分かる装飾品のカメオからそう呼ばれるようになった)しました。ほんの10秒ばかりの出演で、京都聖パウロ教会の修道僧という役どころで「(ステンドグラスの)修復は○○月に行われ、業者さんはこの方です」と名刺を渡すものでした。思わず見逃してしまうところでした。骨に始まり、骨に終わるドラマで、とても面白かったです。ドラマのエンディングに流れてくる「車窓、素敵でした。いつもの通り、独りよがりと言うか、ほっといて、みたいな、そんな歌詞から何かを羨んでいても悲しいだけ、不幸なだけ。それよりも前向きになったほうが絶対に幸せ。相手の幸せを願った方が幸せって思って、前向きに終わった方がいいと思って、書き直したんです」と柴田さん。私の中で今一番泣かせる歌い手、それが柴田 淳さんです。

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