センター前ヒット

IMG_5722 とても面白いネーミングの本だな、と感心して買いました。『センター前ヒット センター試験でコケない68の法則』(髙陵社書店)です。センター試験に失敗しない68のノウハウと、試験前後の受験生の心の支えになる強い言葉にあふれた本です。難関高校生がやっているセンターの勉強法を、日本全国の高校生に「布教」する目的で書かれています。無難なきれいごとが並べられた本ではなく、本音で人生初の修羅場に真正面から向き合う「痛みを伴う」本といってもいいと思います。筆者は瀬戸内海の小さな島で塾を営み、大学受験をともに戦い、島の素朴な若者を都会へ送り出してきた人です。現場で生徒とぶつかりあって得た体験を、本書で書き尽くしています。センター直前、点数が伸びない受験生へ/英語長文で満点近く取るには?/現代文の得点の波が激しいときは?/古文の和歌が意味不明なら?/数学の偏差値が全然上がらない! /化学・生物の暗記地獄対処法 /地理の勉強をenjoyするには?/日本史・世界史を、30点 →80点へ、たった2ヶ月で伸ばす劇薬はあるか?/などの、壁をぶち破る、正攻法の解決策が満載です。

 この人のブログ(⇒コチラです)の中に、「まえがき」をそっくり入れ替えたことが記されていました。出版前のものと実際に本となった「まえがき」を比べてみるとこんな感じでした。

 

まえがき 改正前 (ボツになったもの)
 センター試験で「コケる」ことは、痛烈な失恋に似ている。茫然自失し、タイムマシンで1日前に戻って、何もかもやり直したくなる。
 ただし、「コケる」という言葉は安易に使わないでほしい。「コケる」という言葉を使う資格があるのは、猛勉強して勉強に打ち込み、合理的な勉強法を絶えず模索してきた受験生だけだ。
厳しい言い方だが、センターで「コケる」のは、誤った勉強法に固執したか、ただの勉強不足だ。そんな受験生は1日前に戻って、もう1度試験を受けたとしても、もう1回「コケる」。何度受験しても永遠に失敗し続ける。こういう失敗は「コケた」とは言わず自業自得と言う。偶然ではなく必然、天災ではなく人災だ。
 センター事件前の受験生は、真剣な準備を怠ってはいないだろうか。たとえば英単語集でセンター必須単語が暗記できているか、古文で得点が取れないとき古典文法に戻ってチェックしたか、数学ⅡBの典型問題の対策はしているか、生物の遺伝は苦手なまま放置していないか、過去問は最低10年分やったか・・・
実は、準備が疎かになるのは、センター試験を心の底から怖がっていないからだ。逆にセンター試験に対して「臆病者」になれる受験生は強い。
 本番のテストに強い受験生の条件は、ふだんの勉強で問題を解く時、「この問題が本番で出たら、果たして自分は解けるだろうか?」という恐怖心を抱えている人である。
 恐怖があるからこそ、日常の勉強から「本番モード」で解く。緊迫感のある「本番モード」で勉強をしている受験生は、ふだんの勉強でできなかった問題を「受験生命を脅かすガン細胞」と重く受け止め、直ちに調べるか先生に教えを請い、手術するか放射線を浴びせ、転移しそうなガン細胞は素早く切り取れる行動力がある人だ。
 逆に、防げたはずの災難を事前にある程度見抜けていたのに、「なんとかなるさ」と放置すれば、痛い目に合う。
センター試験直前は臆病になり悲観主義に取りつかれた方がいい。ふだんの勉強で、たった1問のミスを針小棒大に捉える神経質さが、センターで「コケる」確率を飛躍的に小さくする。
そういえば、織田信長やナポレオンは臆病者だったという。四方八方の敵への恐怖心から、頭はフル回転した。だから天下を取れた。
 織田信長は病的な悲観主義者だった。「桶狭間の戦い」で、信長は2000の手勢で、今川義元2万の大軍を奇襲戦法で破った。
 だが信長は同じ戦法を2度と取らなかった。以後信長は敵と戦う時、まず調略を重ね、敵に倍する兵力を動員できなければ決して戦わず、東の駿河の今川義元は一瞬で破ったのに、北の斎藤氏が支配する美濃を攻略するのに8年かけた。百姓上がりの木下藤吉郎などを使い、斎藤氏の家来を一人ずつ織田氏の味方につけ、最後は熟柿を落とすように美濃を手に入れた。
 平凡な武将なら、桶狭間の鮮烈な成功例を踏襲し、奇襲作戦を連発していただろう。だが信長は桶狭間の成功体験を偶然だと認識し、臆病なくらい慎重に準備を重ねた。
 織田信長は豪放磊落なイメージと違い、「負けたらどうしよう」とつねに不安を抱えた悲観主義者であり、恐怖心があるからこそリスクを想像し、対処策を考え抜き、果敢迅速に手を打てた臆病者だから天下を取れたのだ。
 センター試験前は心が乱れる。だが、眠れないほどセンター試験が怖い精神状態にある時こそ、順調に勉強ははかどっている。センターへの「恐怖心」こそ、勝利への近道だ。

※※※※※

まえがき 改正後 (採用されたもの)
 センター試験前は時間がない。残された貴重な時間、充実した「濃い」勉強をしたいと受験生は願う。時間とは体感的なもので、熱いハートとクールなブレインがあれば、10時間の勉強がわずか1時間に感じるくらい集中でき、逆に、たった1か月の勉強で1年分の充実した勉強が可能になる。
 だが、現実にはうまくいかない。センター前は誰もが悩みを抱えている。英語の第6問が読めない、国語の点数の波が激しい、理科や社会の暗記が苦しい、数学の勉強が憂鬱、机に向かってもエンジンがかからない、友人の成績が伸びて取り残される、やっている勉強が正しいのか確信できない、模試が伸びないなど、試験前はメンタルが痛めつけられる。理想は「濃い」勉強をしたいのに、現実には勉強に100%集中できない。
 そんな、センター直前の受験生の、「しっくりいかない感じ」を、勉強面・精神面の両方から解決する目的で書いたのが、本書『センター前ヒット』である。本書は現場で得た血と涙の通った実践例しか書いていない。現場が生んだ方法論で「濃い」勉強が可能になるだろう。
 大げさな言い方かもしれないが、本書は「参謀」で、受験生は「大将」である。私は本書を通して受験生の前にひざまずき、目を真正面から見据え、何をどう勉強すればいいか知恵を授け、センターで「コケる」要素を少しでも排除したい。また、参謀は甘い言葉をかけるだけではない。失敗する要素を少しでも排除するため、腹切り覚悟で厳しい言葉も吐く。
 本書は、「壁」にぶち当たった時の具体策が満載である。
参謀の初仕事として、英語で伸び悩んでいる受験生に一つだけ具体的な策を述べよう。
 たとえば、センター英語で130点前後をうろうろし、点数が上がらない受験生の大半は、完全に英単語不足だ。駿台『システム英単語』の第1章・第2章・第5章の”MINIMAL PHRASES”を英語から日本語に直す猛暗記を3日以内にやれば、長文読解力は大幅に上がる。
 英語長文をスイカにたとえると、未知の単語は種子である。単語量不足で英文を読めば、英文は種子だらけの真っ黒なスイカみたいで食べにくい。だが、短期間に英単語を暗記すれば、種無しスイカのように食べやすくなり、楽に大量の英文を読みこなせる。英語だけでなく「超短期暗記」は爆発的効果をもたらし、スムースに「濃い」勉強ができる弾みになる。
 こんな風に、受験生諸君に知恵をマシンガンのように授けたい。信じて実行して下さるかは、皆さん次第である。
私は島の小さな塾で、二人三脚を超えた一心同体の立場で、大学受験を戦ってきた。私が受験生と闘いながら学んできたことを、本書で隠すことなく伝える。
 絶対、第一志望に合格してくれ。

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